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悩みが八つ ページ10

A視点




私はキリキリと切実な痛みを訴えている胃を摩る。あとで胃薬買おう。

そう考えながら本を持っていないもう片方の手でドアノブに手を掛けた所で、弟が思い出した様に森さんに問う。




「ところで、さっき言ってた……僕に似た人を知ってるって、誰の事?」



「私だよ」




森さんはそう言った。

そこで私はふと胃痛の元となっているストレス解消の為か、身体が煙草を求めていることに気付く。

でも前に森さんの目の前で吸ったらしこたま怒られた事を思い出して我慢した。外出たら吸おう。




「太宰君。私に理解できるかは判らないが、訊かせてくれ。君は何故死にたい?

A君も。君は一体何に絶望している?」




私は少し驚く。エッ周りから見て私ってそんな気になるぐらい絶望してるように見えてた?

まぁ実際絶望してたけど。でもまさか現在進行形で原作に絡んでるから絶望してたって言える訳ないし……

……というか言っても信じて貰えないだろうし……下手すりゃ頭可笑しい認定だろうし……




よーし適当にオブラートに包んで云おう。それっぽく。闇っぽく。阿呆の考えだとかは思ってはいけない。




「僕こそ訊きたいね。生きるなんて行為に何か価値があると、本気で思っているの?」




珍しく年相応に純粋な顔したと思えばとんでもないことを言い放つ弟に胃痛だけではなく頭痛を覚える。

……いやまぁ感性は人それぞれだし……




本日三度目の溜息をなんとか堪えながら、私も言う。




『説明は難しいですね。これは余りにも私の感情だらけで、言葉にする事すら億劫で。

ああ、でも、そうだな……狂わされたと、シンプルに、かつ明瞭に、私ならばそう言い表します。

誰にも罪も咎も、意思の存在すら定かありませんが、被害者と罰だけが存在してしまいました。』




それからお得意の曖昧な笑みを浮かべて、口をほんの僅かに動かして『それだけです』と静かに言った。




私の「好きな漫画に転生〜ただしストレスはヤバイ〜」という気持ちを精一杯オブラートに包んだ結果である。

厨二っぽいとか言うのはご法度だし、そもそもこの文ストの世界の構成要素なんて殆ど厨二なんだから見逃して下しあ………




なんて気恥ずかしさから誰にする訳でも無い言い訳を重ねて外に出て、擂鉢街へと向かった。

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汐琉 - え、終わ…え? (7月2日 21時) (レス) @page35 id: 9556ee3f31 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - え…終わ…り…? (2022年7月4日 20時) (レス) @page35 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 絶対終わらないでぇぇぇ!!!!! (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 769fe6ecc6 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 凄く面白いデス!!!!続いて欲しい… (2021年10月26日 22時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 続きめっちゃ気になります! (2021年9月27日 18時) (レス) @page35 id: f3b5f9b840 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐教信者 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月12日 12時

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