【文スト】転生以下略したら太宰治の姉でした。

悩みが四つ ページ6

A視点




私はそれからゆっくりと薄く溜息を吐いて、それから仕方なさそうに笑う。




『ずっと一緒に居るのは無理だけど………姉として、弟が寂しがってるなら構わずに本ばっかり読んでるのもよくないよね。

いや正直その方法で構ってもらおうとするのは本当に勘弁なのもあるけど。やめてね？？？？』




一寸『あれ？』ってなる事も多いが、この世界でお互いにとって唯一の家族。

勿論とても大切だから、なんやかんやで結局は甘くなってしまう。




私のその解答に満足したのか、弟は至極嬉しそうに笑って頷く。




「うん。姉さん。僕の姉さん。姉さんが僕を離さない限りは、僕も姉さんを離さないから。こんなことはしないよ。」




そう言ってぎゅっと私を真正面から抱きしめ、また胸に顔を埋める。おい馬鹿それはやめろ。




「＿＿＿＿ちょっと二人共、私の話、聞いてる？」



「聞いてますん」



「どっち？」



『すみません、聞いてませんでした。』



「聞いて欲しいんだけどなぁ」




困った様に言う森さんに頭を下げる。ていうかこのやり取り、なんか既視感が………




「だって森さんの話、いつも退屈なんだもの！最近毎日お経みたいに唱えてる。

お金がない、情報が無い、部下からの信用がない。そんなの最初から判ってた事だろうに」



「そりゃそうなんだけどねぇ」




あれ。既視感。少し考えれば、私の頭に一つの可能性。

……もしかしてこれ、「太宰、中也、十五歳」に突入してるのでは？

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