【文スト】転生以下略したら太宰治の姉でした。

悩みが十七 ページ19

A視点




そして、爆発音らしき轟音に続いて爆発のあったであろう屋敷から黒い煙が上がり、短機関銃の従性も聞こえてくる。

私は気にしない。これぐらいのことを気にしてたら身が持たないと知ったからである。

まぁ結局気にしてるから身が持ってないんですけどね！ハハハ！！！……ハァ……




そして妙に嬉しそうな中也さんを見る。

原作を妨害するつもりも中也さんを否定する気持ちもないけど、なんか、こう、頭が良くなった身としては、つくづく非効率的だな、とは思うよね。




「おいおい。あそこに話を聞きに行くんじゃねぇのかよ？」



『如何して物事とはこうも面倒な方に運ばれるんだろうね………』



「犯人に先を越されたかなぁ」



「おっとっと、そりゃマジかよ。ヤベェなそりゃ。大事だ」




弟が中也さんの顔を見る。弟の顔が呆れと嫌悪の混じった表情に変わった。

そして反対に中也さんの顔は期待に満ち溢れている。




「つまりこう言う事だろ？めんどくせぇ聞き込みから、口封じしに来た犯人シメて口割らせる作戦に変更って事だろ？」



「はぁ……？」



「最高じゃねぇか。行くぞオラ着いてこい！」




台詞が終わるが早いか、風のように走って行く中也さん。

そしてそれを無表情で見つめる弟。そして呟いた。




「………子供だ………

姉さん、あんな奴放って作戦立てたいんだけど駄目？森さんに上手く言えない？

姉さんもアイツ嫌いになったでしょ。もう死んだって言ってほっとこうよ」



『そう言う訳にもいきません。ほら、後で……頬にキス……ぐらいならまぁいいか。

うん。頬にキスしてあげるから。』



「それ本当！？絶対だよ！？」



『エッうん本当だよ本当だから落ち着いて』




背に腹は代えられぬと断腸の思いでそう言えば、さっきの無表情が嘘のように興奮してグイグイ来る弟。おおうステイステイ。

私は弟を抑えながら中也さんの後を追うのだった。

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