【文スト】転生以下略したら太宰治の姉でした。

悩みが十四 ページ16

A視点




私は本を静かに歩きつつ読む。しかし背中に冷や汗を浮かべて、が言葉の頭につくが。

何故そんな事になっているかと言うと、それは両脇の二人が原因だ。




太宰治と中原中也。犬猿の仲である二人は、何故か私を挟んで睨み合っている。

速やかにやめて欲しい。主に間に挟まれた私が可哀想だとか思わないかな………

………思って無さそうだな………





私は溜息を吐きたかった気分だがぐっと堪え、本を閉じて、子供を諭す声音で言う。




『二人共、仲良くしろって言われたでしょう。仲良くして。』



「姉さん、僕じゃ無くて全部コイツが悪い。全部コイツが悪い。何度でも言うけど、全部、コイツが、悪い。」



「あァ？何言ってやがんだコイツ。どう考えても手前がガン飛ばしやがったからだろうが。

つぅかいい加減何処行くかぐらい教えやがれ。」



「いやあ、いい天気だなぁ。いい天気すぎて妖精さんの声が聞こえるなあ。」



「ふざけんな俺の声だよ！」




頭を抱える。駄目だ仲良くとかできっこない。

だって原作由来の設定なのに一回の転生者である私が如何にかできる訳ないじゃん？え？私何か間違った事言ってる？




……ッア゛ー！！もう！無理だ！仲良くさせるとか無理だよ畜生！

でも監視役的なのを仰せつかったからには仲良くさせなきゃだめだよね！辛いぜ！！これだから(黒)社会人は！！

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