悩みが十三 ページ15
A視点
あの後は殆ど原作小説と同じ展開だった。ちょっと喧嘩して、皆黒い炎に水平に吹き飛ばされる。
正直クッソ痛かったし先代が見えた時は判ってたとはいえ泣きそうになった。ていうか泣いた。
意識を失ったお陰でそれが弟に見られず、姉としての威厳を保てたのは幸いである。
そしてそんな私はマフィアビルの最上階、首領の執務室に、弟と中也さんと首領と共にいた。
「「はあ!?」」
そして今執務室に響いたのは少年二人の素っ頓狂な叫び声。
「何トボけた事言ってんだ手前ぶっ飛ば」「厭だよ絶対厭何でこんな奴と一緒」「ぞ誰がそんなふざけた話」「なくちゃならないのさ姉さんと僕とだけのほうが絶」「んじゃねえぞコラ!」
………正に今、首領に私と弟と中也さん、三人でのアラハバキや先代に関してやらの調査を言い渡され、両隣の二人の抗議の声を聞いているところである。
そんな二人を同時に見て、森さんは呆れた様に言う。
「一緒に叫ぶのを止めなさい。中也君、自分が命令を拒める状態にないことは判っているよね?」
「何それ汚」「い気になんじゃねえタコ!」「も森さんはそうやって!」
「はいはい。二人とも、仲良くしないと駄目だよ。これは命令だ。
万一仲違いによって任務を疎かにしたと云う報告が、私の耳に入ったら………判っているね?」
微笑んで云う森さんを見て、ああ大人の余裕を感じる………と特に意味はなく思う。
私は森さんの言葉に直ぐに返事をしたが、二人は数秒の沈黙の後にようやっと絞り出した様な声で返事をした。
そして私は、あ、と思い出した様に森さんに質問を投げる。
『質問を一つ、宜しいですか。首領。』
「何かな、A君。」
『この調査に私が居る必要は無いと思うのですが。二人で十分だと思います。』
「其れには理由が二つある。
一つ、君がこの二人が不仲を起こした時に仲裁役を務め、私に報告するため。
二つ、この二人は君に弱いからいざという時の抑止力になる。」
そう言う森さんに私の頭にはクエスチョンマークが浮かんだが、まぁ頭良い人の考えだしな、考えるだけ無駄だろうと直ぐに思い直してお礼を言う。
いや今は私も頭良い人なんだけども。行きたくないけど反論しても無駄だろうし素直に任務行くか……
私は睨み合って固まる二人を引っ張って、執務室を後にした。
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汐琉 - え、終わ…え? (7月2日 21時) (レス) @page35 id: 9556ee3f31 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - え…終わ…り…? (2022年7月4日 20時) (レス) @page35 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 絶対終わらないでぇぇぇ!!!!! (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 769fe6ecc6 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 凄く面白いデス!!!!続いて欲しい… (2021年10月26日 22時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 続きめっちゃ気になります! (2021年9月27日 18時) (レス) @page35 id: f3b5f9b840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐教信者 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月12日 12時