1 ページ10
A視点
救いようのない馬鹿の相手をして一通り怒ったところで、私は仕事に戻る。
_________いや、正確には、戻ろうとしたのだが。
ドゴォ、と恐らく人間が素手で出せるものではない筈の音を出しながら、近くの壁をへこませ蜘蛛の巣状にヒビを入れた中原さん。
ここがマフィアビル本部ではなく、廊下を歩いてる途中に連れてこられたばかりのどこぞの廃工場な事が唯一の救いか。
本部だったら修理費が大変だったな、と現実逃避に思考が逸れる。
因みに中原さんの整った顔には恐ろしい程の、いや実際恐ろしい笑みが浮かんでいた。
私は速やかに冷たい打ちっぱなしのコンクリートの床に正座をし、膝の上に手を置いた。
なにこれ。なんで海沿いの廃工場に連れてこられたの?私コンクリ詰めで海に沈められるの??
ていうかこの工場なんでこんなに見通し良いの?壁の一部吹き飛んで地面抉れてません?なんで?
現実逃避に忙しい私に、中原さんは笑みと言うよりは脅しの道具と言った方がいい顔をして、滅茶苦茶良い声で言う。
「A、なんで俺が怒ってるのか分かるな?」
『………兄と、』
「…………」
『太宰さんと中原さんの心配を他所にあまつさえ太宰さんの提案に乗って二人きりになった事です!!!本当に申し訳ございません!!!』
正座をしているので頭を下げれば必然的にほぼ土下座に近い形になった。
この人太宰さんのこと兄って呼んだ時に酷い顔したんだけど。ヤバい。あれは人殺しの目だ………
………アッ私も中原さんもめっちゃガチガチのモノホン人殺しじゃ〜ん!盲点〜!!!
いや笑い事じゃねぇなほんともう最近私の胃に穴開いたんだけど。誰か助けて。
1697人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メープル - この作品が大好きです!!!!続きを書いてほしいです!!!!! (12月9日 10時) (レス) @page18 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 素敵な作品に出会えて嬉しいです。もう、このお話はおわりなのですか、? (8月18日 1時) (レス) @page18 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - 凄く面白かったです!出来れば続きを書いて欲しいです!本当にお願いします! (8月16日 19時) (レス) @page18 id: b6e28c60d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - 凄く面白かったです!続きが凄く気になります! (7月2日 13時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても面白かったです!!できれば続きを描いてほしいです!本当にお願いします!私事あとの話が一番好きなんです!鏡花ちゃんがこの後夢主さんとどんな感じになるのか気になります!! (6月10日 23時) (レス) id: bc3edc14c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年4月23日 20時