勘違いが十六 ページ18
A視点
そんな感じで話を聞いた私は顎に手を添え、ふむ、と言ってから数秒置いて話始める。
『私は口下手だ。故に、求む言葉を掛けてあげられないだろう。無神経な事も沢山言う。
全て憶測でしか話せないし、主観的な考えを口に出し、そのご友人傷つける言葉を選ぶかもしれない。
それに私はそれほど良識がある大人では無い。それを覚悟して欲しい』
私はそう言い、一拍だけ間を置いてすぐに話始める。
『良識ある大人なら、まず君のご友人の母君と父君を非難して、ご友人を慰め、そしてそのご友人を然るべき保護を敷いてくれるお役所へと連れて行くのだろうね。
きっとそれが正しい。だが、無責任で良識が無い私はまずその君のご友人を褒めよう。
こんな風に、頭でも撫でながらね。』
とびっきり優しく微笑んで、壊れ物を扱う様に轟君頭に触れ、撫でる。
轟君が僅かに目を見開いた。あっこれセクハラ！？もしかしてセクハラ！？
『まず一つ目。良く死なずにその状況に耐えたと言うこと。
父君からの重圧、母君への罪悪感。この二つを身近に感じながらも自ら死を選ばなかったのは、人々が考えるよりもずっと難しい事だっただろう。
私にも全ては判りはしないが、浅学な脳で考えたなりに言わせて貰おう。素晴らしい事をした、とね。』
「…………」
『もしその死と言う選択をしていたとして、その死は母君を更に追い詰めただろうね。
話を聞く限り母君はとても良い方だから、自分の所為で我が子を追い詰めたと知れば彼女もまた死を選ぶだろう。
母にとって子とは何よりも大切な存在で、きっとご友人の母君も其れは同じだよ。初めから今まで、何一つ変わらず。』
そんなバカな。そうありありと書かれた諦め交じりの顔をした轟君のイケメンな横顔をちらりと見、そして言葉を続ける。
『それは話を聞く限りに誰でもわかる程に、ご友人とその母君を全く知らない私でも断言できる程に確実な事実であろうことを私は断言できる。
何故ならば私には家族が居て、家族がそうだったのならば私は母君と同じく思い動くからだ。』
「……ッ、」
『今、この状況は最善とは行かずとも限りなく良いと言えるだろう。誰も必要以上に傷ついていない。
それは何よりも尊く、強く立派な精神が有ったからこそできた事だ。褒められるべき所業だ。
そしてそれは紛れもなく本人の功績だよ』
撫でる手を止めずにそう言えば、轟君は体を震わせて俯いた。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
スチームパンク - こういう小説探してました!続き楽しみにしてます✨ (2023年1月19日 14時) (レス) @page12 id: 7430f2413a (このIDを非表示/違反報告)
スチームパンク - 勘違いされるの好き (2023年1月19日 13時) (レス) @page2 id: 7430f2413a (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 彼方さん» ぜひお願いしたいです！お手数ですが、続編のイラストを投稿する際の注意も読んで頂ければ幸いです！ (2019年2月19日 22時) (レス) id: 342d18db20 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - こんばんは、初めまして。こういう話が大好きでお気に入り登録させていただいています！もしよろしければ夢主のイラスト描かせていただいてもよろしいですか？ (2019年2月19日 22時) (レス) id: 65997d35aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐教信者
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月2日 22時
