七話 ページ9
A視点
その日の放課後、私は遂に一緒に帰る約束まで取り付けられて、私は今、下駄箱で轟君を待っていた。
轟君に「一緒に帰りたいんだが………だめか？」なんて言われたら断れる訳が無かった。畜生。
いや、嬉しいんだよ？轟君にそんな事云ってもらえるなんて最高に嬉しいんだよ？？
うん、嬉しいんだけど。人生で一番ぐらいに嬉しくて正直ニヤニヤが抑えられないし止まらないんだけど。
でも主人公的ポジションの人に近しいモブってすぐ死ぬんだよ知ってた？？私まだ死にたくないんだって…………
ああでも嬉しい！轟君と一緒に帰れるの死ぬ程嬉しい！でも…………ああ心境が複雑でヤバイ凄く泣きそう…………
私が酷使しすぎて引き攣りそうな表情筋をさらに酷使して、どうにか無表情のまま悶々と考える。
然し何か良い案が思い付く訳でもきっぱりと割り切れる訳でも無く、遂には轟君が来た。
「待たせて悪い…………」
『大丈夫、私も今来た所だから』
そんな、カップルの間で使い古された言葉を交わしてから、家に向かってゆっくりと歩き始める。
小学一年生の歩みは遅い。いや、轟君は鍛えられてるからもっと早く歩けるだろうし、私の歩みに合わせてくれてるんだろうか。
轟君をちらりと横目で見る。左目には既に痛々しい火傷跡が残っていた。
私はすぐに真正面に向き直る。
かわいそうだとか、大変そうだとか、そんなありきたりな感情も浮かんでこなかった訳じゃない。
漫画として読んでいた時にも散々思った事だったが、目の当たりにすると重みが違うなぁ、とか他人事のように思ってしまう。
轟君と私の間に会話は無い。
ある方が珍しいと云うか、大体とぎれとぎれの会話しかない。多分私たち二人とも話すのが下手なんだと思う。
私は同情したのか分からないけど、なんというか、少し話す気分になった。
『ねぇ、轟君。』
「なんだ？」
可愛らしく、こてんと首を傾げて返事をしてくれる轟君に私は言う。
『その傷は、どうしたの？』
顔を酷く顰めた轟君は、不機嫌そうに私に言う。
「言いたくない」
『なら良いわ。でも聞いて？』
諭すように、出来るだけ優しく私は言った。
慈愛に溢れた笑みを浮かべて、聖母を騙った。
『親に愛されない、私の話。』
轟君は、とても驚いた顔をしていた。
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イチカ - ポイズンネタに思わず爆笑してしまいましたw (2023年1月29日 13時) (
レス) @page47 id: 4c1e53102c (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者と豆板醤の絡め合え(プロフ) - （゛゛）さん» そう言って頂けて嬉しいです！ですが、ちょっとあの作者リアルが忙しいので其処ら辺は無理っぽいです…すみません… (2019年5月2日 23時) (レス) id: 342d18db20 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者と豆板醤の絡め合え(プロフ) - No.0さん» いえ誤字です本当に申し訳ありません…直しておきます… (2019年5月2日 23時) (レス) id: 342d18db20 (このIDを非表示/違反報告)
（゛゛） - 轟様最強だ！ヤバい！検定とか、作れたら作ってください (2019年5月2日 20時) (レス) id: 50935d5c09 (このIDを非表示/違反報告)
（゛゛） - 泣きそうなくらい、はまりました。お願いします。性格がどうとか、どうでもいいので、高校卒業してからのやつとか作ってください。誤字脱字は、ある程度はいいです。上から目線すいません。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: 50935d5c09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐教信者
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作成日時：2018年11月4日 23時
