31.キャラメルプリン。 ページ31
LINEが既読にならないまま帰宅し、玄関のドアを開く。
「あ...」
するとそこには、壁に凭れるようにして眠っている雅紀が居た。
もこもこパーカーのフードを被って、スースー寝息を立ててる。
その手の中にはスマホ。
「こんな所で...」
靴を脱ぎ雅紀の前にしゃがむと、長い睫毛が小さく動いた。
そして、目がトロンと開く。
「ただいま、雅紀」
「.....あ、Aちゃん...」
「ごめんね、遅くなって」
「...おかえりなさい」
私の首に雅紀の両腕が、するっと柔らかく絡みついた。
体温の高い彼の頬が、私の頬に触れる。
「...寝ちゃってた」
「別に寝てて良いんだよ？」
クスクス笑うと、雅紀は「さっきまで起きてたのに。5分前までは起きてたと思うの」と少し拗ねた声。
「でも30分前に送ったLINE、既読になってないよ？」
「...あれ？え、30分...？」
「フフッ、一瞬で落ちたんだろうね。ホント、これからも私が遅かったら先に寝ててね？」
雅紀の腕を解いて顔を覗くと、自分が30分前から寝てた事に驚いてるのか「睡魔怖いね」とビックリした顔してる。
その表情が可笑しくて、私は「そうだね」と笑った。
「ほら、ここ寒いからリビング行こ」
雅紀の頭をポンポンと撫でて、ふと気付く。
キャラメル色の髪の根元が、だいぶ黒くなっている。
「雅紀、髪伸びたね」
「あ、プリンになってる？」
「なってるなってる、キャラメルプリン」
「何か美味しそうだね」
アハッと笑いながら立ち上がった雅紀が、私の手を引いて立たせてくれた。
そのまままた、ギューッと抱きしめられる。
寒いところで寝てたはずなのに、雅紀の体はあったかい。
「.....Aちゃん、帰ってきてくれて良かった」
彼の掠れた声が、耳元を擽る。
「どうしたの？帰ってくるよ、当たり前でしょ？」
「そうだよね。ここ、Aちゃんちだもんね」
「フフッ、そうだよー。変なこと言うね」
「ごめんね」と、雅紀は小さく笑った。
私を抱きしめる腕に、少しだけ力が増す。
「美味しい物、食べさせて貰った？」
「うん」
「何食べたの？」
「お上品な和食」
「僕が作ったご飯とどっちが美味しかった？」
「うーん、良い勝負かな！」
「えー！」と雅紀が腕を伸ばして、私に顰めっ面を見せた。
「僕、負けた？」
「良い勝負だから、負けてないよ？」
「何か悔しいから、和食勉強する！明日のご飯は生姜焼きね！」
生姜焼きは和食って言うのかな？と思うけど、私は「楽しみ」と笑って応えた。
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米(ヨネ)(プロフ) - ずっと読みたかった『アディクトインダストリー』やっと読める日が来た事に感動(T^T)同じ人のお話を並行して読むには頭が追いつかないようで(笑)他の相葉さん読んでる最中に登場したレイさんの相葉さん。ずっと保温させていただいてました。満を持して！お邪魔します^^ (2019年3月29日 4時) (
レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 明けましておめでとうございます。櫻井社長が何か仕掛けてくるのか、こないのか。気になる。３月まで忙しくてリアタイで読めないの(泣)だから変なタイミングでコメントする事をお許し下さい(笑) (2019年1月2日 9時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - みっちゃんさん» 楽しんで頂けててよかったですー(*´ω｀*)cube、私も好きな映画だったのでお話に出したいなぁと思って(*´ω｀*)新章も楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - なおさん» 何か、例えばニノちゃんのお話だと物凄く反応を頂けるんですけど今回はあまり楽しんで頂けてる雰囲気を感じられなかったんですよー(^◇^;)でもお声掛けして頂けて良かったです！最後まで頑張ります(*´ω｀*) (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - こっしーさん» こんにちは！私もこんなワンコが家にいてくれたら、本当になんでも頑張れるしすぐ家に帰りますー(*´ω｀*)続きも楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年12月5日 0時
