女狐【 wrwrd 】 (ページ5)

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第5話ページ5

(貴方視点)

門番の担当は無線でその状況を伝える。

総統閣下の筆跡、サインを確認した門番はAを中に通した

「今日は猛暑日です。体調には気をつけてください」

『あら、ご丁寧にありがとう』

門番に笑いかけながら静かな場内にｺﾂｺﾂと靴の音を響かせた。

場内は防犯対策に絨毯じきではなくコンクリートの床で壁は真紅の壁紙。

『(へぇ～、全然変わってないじゃない)』

1人微笑みながら歩く姿はまるで何処かのステージを歩くモデルのようであった

すれ違う兵士が目を開き足を止め彼女を見つめている。

その横を何気ない顔で通りすぎる(自分)に話かけてくるおとこがいた。

「貴方がAさんですか??」

紫色のファージャケットを着て頭にはバイク用のヘルメットを被っている(自分)より数cm高い青年は気だるけな声で話しかけてきた

『ええ、私がAよ貴方は？』

「失礼しました。自分はショッピと申します。一応この国の幹部で総統閣下にAさんの案内を任されました」

『なるほど、わざわざありがとうございます』

「いえ、仕事なので。」

Aはショッピの少し後ろを歩きお互い足を進めた

しばらく沈黙が続きお互いの靴の音のみが響いていた時ショッピは口を開く。

「…そういえば、Aさんよく道が分かりましたね」

『え？』

「この城正面玄関から道が3つに別れているじゃないですか。正面から見て右のみきの方が照明が豪華なので大体の方は右に進むのにAさんは真ん中の道を進んだみたいなので少し気になったんですよ」

『あぁ、私この城に何回か来ているですよ。だから自然に覚えてしまって、、、。』

「なるほど。なら今回の案内も要らなかったですね」

『ええ、そうね。でも総統閣下のお気遣い有難く受け取らせていただくわ。』

お互いが何気ない会話をしていると、壁に

"幹部会議室"

と書かれた両開きの扉の前に来た。

「さぁ、着きました。入りますよ」

そうショッピが言うと、両開きの扉を両手で開け、

ｷｨーと扉が軋む音を聞きながらAは部屋に入って行った。