00 : まるで麻薬のような ページ1
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『 恋にきっかけなんてない 』
誰かが言った、キザなセリフが頭をよぎる。
そう、俺が恋に落ちたのは、正に穴に落ちるように、いとも簡単に。
それでいて、もがけばもがく程穴にハマっていくのだ。
一度ハマってしまえば、もう二度と戻っては来れない。
知らず知らずの内に俺は、甘い毒蛾に侵されていた。
▽
「チッ…なんで俺が…」
ぶつくさと元凶の担任に対する文句を呟きながら音楽室へと歩を進める。
音楽室は地下にあるので、担任も面倒なのだろう。だからといってその雑務を生徒に押し付けるのは如何なものか。
渋々と言えど、引き受けてしまった以上中途半端に済ませる気は毛頭ないので今こうして音楽室に続く階段を下っている訳だが。
早く済ませて帰宅しようと音楽室の扉に手を掛けた時。
俺の耳に、聞き覚えのある旋律が届いた。
これは…
「…♪＿＿＿…♪」
確か、ショパンの「仔犬のワルツ」。
洋楽はランニング中に聞いたりするのだが、ピアノなんて普段滅多に聞かないので曖昧だが。
ドアに付いているガラス越しから、中の様子をこっそり窺う。
この音色は、中の女生徒が奏でているらしかった。
しなやかに鍵盤を踊る、細く白い綺麗な指。
艶やかで、しっとりとした黒髪。
それら全てから、目が離せなかった。
思えば、俺はこの時から虜になっていたのかもしれない。
アイツが奏でる美しい音色に。
まるで麻薬のような、
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りこ(プロフ) - 、さん» 外し忘れておりました。大変申し訳ございません。 (2018年2月14日 8時) (
レス) id: 40f7ee34c3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月14日 1時) (レス) id: 6903784267 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2018年2月14日 1時
