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少年と、そこから打ち解けるまでそう長くはなかった。
少女が単純だからなのか、それとも少年の話術が巧みだからなのか。
少年はどうしても少女を手に入れたかった。それは、少女が孤児院に来た時から募りに募った想いだった。
普通の子からすればこれは、恋なのだと言うだろう。しかし、少年にとってそれはひとつの固執だった。
少女を自分のものだけにしたいという欲望の塊。
俗に言う一目惚れなのだが、そんな綺麗事で丸められるような性格をしていなかった少年。
幼少期から愛を知らない少年は、少女を自身が愛したいと思っていることに気が付かなかった。
だから、歪み始めてしまったのかもしれない。
少女が孤児院の子供たちと仲良くすることを拒んだ。
しかし、それを言えば少女に反論され嫌われてしまうと悟った少年は、どうすれば離れていくだろうと考えていた。
自分自身とか関わればお前も変わったヤツだと少女の周りから奴らは消えると思っていたのだがそう簡単には行かなかった。
やっぱりそれは、少女の容姿とそれに比例する性格があるから。甘く蕩けそうな腰まで伸びたミルクティー色の綺麗な髪の毛と全てが均等に揃えられた芸術品のような顔。白く透き通った肌に赤くふっくらとした唇。
誰にでも優しく、素直で少しだけ悪戯心のある少女。
少女が生きる1秒1秒が繊細で美しい。おとぎ話のお姫様と綴られている人物以上にお姫様なのだ。
生憎、少年のことをあまりよく思っていなかったから最初の態度はツンケンしていたが、少年はそれを自分だけにしてくれたひとつの1面と捉えていた。結構なほど重症に少女を愛していた。
そう、少女は純粋無垢でありなんの穢れもない天使のようで、人々を狂わす魔性なのだと。
少年と少女が11歳になる年の時、1人のお爺さんが2人を訪ねてきた。
魔法学校へと行かないかと。
少年にとってその言葉はこの孤児院のヤツらやほかの人間と違うと理解出来る出来事だった。
僕は他とやっぱり違ったと。そして、この孤児院の中で自分と少女だけが違ったのだと。
孤児院を出る朝に、少年は少女を呼ぶために少女の部屋をノックした。
しかし返答がないため、失礼するよ、と一言おいてドアをゆっくりと開けた。
そこには、窓の外を眺める少女の姿があった。陽の光でその綺麗な髪の毛は金色に光り輝き、照らされた瞳は宝石のようだった。
この胸の高鳴りは何なのだろう。少年にはイマイチ分からなかった。
きっと、少年は少女を思う気持ちが愛だとはこの先認めないだろう。けれど、誰よりも特別なのは確かだった。
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あずき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！！！落ちとかって決まったりしてますか？ (2023年1月31日 0時) (
レス) @page31 id: 452ba847db (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - フォールさん» 私も大好きな小説なので気がつけばたくさん更新してしまいます笑頑張ります！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - 真昼さん» とても嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - この小説に出会えて良かったです！まだまだ序盤の方だけどとてもおもしろいです！どうか主様のペースで最後まで筆記し続けて頂けると幸いです！頑張ってください、応援してます！ (2023年1月28日 21時) (レス) @page13 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - この先、どうなっていくのか楽しみです！最後まで応援しています！！ (2023年1月28日 8時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまびこ | 作成日時：2023年1月27日 1時
