【SV】ポケモン嫌いの日常〔2〕 (ページ7)

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「……やっぱ無理！」

私はそう叫んで、今来た道をUターンで戻っていく。
私も冒険をしたい。いろんなものをこの目で見て、ポケモンを克服して、父や母を驚かせたい。秘伝スパイスについても研究してみたいし、ネモや先輩のふざけたやり取りを聞いて笑っているだけでもいい。

保健室の扉を勢いよく開くと、中の生徒や先生の注目を浴びる。

「ちょ、何か忘れ物〜？いちおー保健室だから静かに…」

「先生！やっぱ嫌です！」

「はい……？」

ミモザ先生のところまで駆けていくと、困惑する先生の手を掴んだ。

「やっぱなんとかなりません？絶対に無茶しないし安静にするので！」

「いや……いままさに走ってたんだわ。」

先生の冷静なツッコミは聞き流し、両手を合わせて懇願する。

「宝探しに行きたいんです！」

「ちょ、ちょっと……！君意外と熱血タイプなの！？」

他の生徒からの変なものを見るような視線を感じる。
それでも諦める気になれなかった。

「あのね〜…あんた、なんのために安静にしなきゃいけないか分かってる？それが悪化すれば靭帯が…」

「分かってますよ。靭帯が切れるとか、関節がずれて戻らなくなるとか……そこまでいくと自然治癒は難しいんですよね。」

「わ、分かってんのかい…」

「その上で聞いてるんですよ〜！どうにかなりませんか…！」

呆れたミモザ先生の深いため息。

「もーう、しょうがないな。」

ミモザ先生は条件付きで外出を許可してくれた。
その条件は三つ。

一つ、とりあえず明日までは安静にすること。
二つ、1日の最初と最後に怪我の様子を見せにくること。
三つ、長時間または激しい運動は絶対に避けること。

そしてもちろん、痛みが出たり悪化したらすぐに相談すると約束した。

「んじゃ、約束だよー。ダメだって判断したら、すぐに中断して休んでもらうから〜。」

「先生、ありがとうございます……！」

「その熱意には勝てないっての…まあ、これで何かあっても文句言わないでよねー？」

「勿論です！」

やった！ミモりん万歳！
これで宝探しを再開できる〜！！

上機嫌で保健室を出ると、ネモやペパー先輩に報告メッセージを送っておく。少しでも治りが早くなるように、今日はもう休もう。自室に帰ると、私はまだ日の出てるうちに眠りについた。

…まさかこの間に、例の話がどんどん進んでいるなんて…思いもしなかったけれど。