委員会見学その三の段 ページ25
「次はここ! 作法委員会だ!」
何やら倉庫の前に連れてこられた。扉は開いていて、中で何人かが作業をしているのが見える。
「やっと来たか。AA」
六年生の先輩が顔を出す。ツヤツヤとした黒髪に白い肌。綺麗な人だ。女よりも白いってどういうこと。
『こんにちは! よろしくお願いします』
「まぁそんなに畏まるな。私は立花仙蔵。見ての通り作法委員会の委員長だ。今は後輩達が化粧の練習をしている。入れ」
『は、はい!』
流れるような言葉に置いていかれそうになる。中に入ると、何やら下級生達が一箇所に集まっているのが見えた。
「我々の仕事は首実験に使うフィギュアなどの管理だ。あとは首化粧の練習をしたり、茶を飲んだりしている」
うーん、お茶は飲みたいなぁ。
「みんな、AAが来たぞ」
「A先輩!」
兵太夫が嬉しそうに声を上げる。私も嬉しいよ。気になるのは立花先輩がずっと私をフルネームで呼ぶことなんだ。
「こんにちは、AA先輩! お噂はかねがね聞いていますよ」
特徴的な黒髪の三年生がにっこりと笑う。声可愛い。ん、ちょっと待って? 噂って何?
「おやまぁ、さっきの」
椅子に座っていた子が私を見る。表情の籠らない瞳。ふわふわの髪。先程の喜八郎という人だ。
ていうか化粧してる? すっごい美人だ。もともと顔は整っているかなとお面フィルター越しにも思っていたが、それ以上だ。どうしよう、ここにいると女としての誇りとか威厳とか全て飛んでいきそうだよ。
「喜八郎、女装か」
「鉢屋三郎先輩。ご覧の通りです」
鉢屋先輩もこの女装の出来に感心しているようだ。正直に言って女より可愛いもん。
『忍たまって女装もするんですね』
くノ一も男装をするから普通に考えればそうなのだがやはり意外だ。潮江先輩や中在家先輩もするのかな。想像を絶する。
「そういうことだ。AA、筆を持て」
『どういうことですか?』
筆を渡されて困惑する。化粧筆だ。何か嫌な予感がする。
「喜八郎の化粧をしてくれ。大体は終わっているが、
『まじですか…………』
確かに私も女の子だ。休みの日は化粧だってする。でも、いつもハルに徹底的に指導されるんだよね。もっと派手になさいって。私だって自分の顔がハルよりも薄くて飾り気がない事を自覚している。もっと可愛くなりたかったなぁ。
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砂糖水 - (_;´꒳`;):_同じくぅぅぅぅ (2023年3月21日 21時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 天女じゃない所は良き、ですがオリキャラとモブは無理だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((泣 (2023年3月4日 17時) (レス) @page12 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 初心者Mさん» 自分では仲のいい忍術学園しか想像出来ず、こうなりました笑 鼻血が出てますよ□ヾ(・∀・`o)フキフキ読んでくださってありがとうございます! (2021年3月17日 21時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
初心者M - 天女ものではない所が、好きです。(鼻血) (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8867205e66 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん、ありがとうごさいます!誰にも読んでもらえないと思っていたので凄く嬉しいです! (2021年3月17日 14時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2021年3月16日 12時