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「おー!なんか感動的」
パチパチと拍手を送るA。ストローに口をつけるが、既にグラスの中は空だった。
「あ、ジュース無くなっちゃった。入れてくるー」
「俺が入れてくるから座ってろー」
「やったぁ、ありがとケンくん!」
Aの隣、通路側に座っていた龍宮寺がAのグラスをひょいと持ち、ドリンクバーの方へと歩いて行く。
「ほら、Aちゃんと食えよ?マイキーが全部食っちまう」
「はーい、ありがとタカちゃん」
1番奥の席、Aの隣に座る三ツ谷がポテトをAの口元へ運ぶ。
Aは三ツ谷、龍宮寺の間に挟まれて座っていた。
通称【お世話席】である。
龍宮寺、三ツ谷と面倒見の良い2人に挟まれたAはあれよこれよと世話を焼かれていた。
「メロンソーダだよな?」
「うん、メロンソーダ大好きー!ありがとっ」
「おー、いっぱい飲めよ」
「…なんかドラケンくん優しいっすね、イメージと違いました」
「あ?そうか?彼奴Aにしかあんなんしねェよ」
「えぇ!?そうなんスね…」
「あ、Aこれも美味ぇぞ」
「あー…ん!ほんとだ美味しー!」
(場地さんもかよ!)
松野は場地の新たな一面を見て複雑な気持ちだった。
あのカッコいい場地さんが1人の女の子にはどろどろに甘いのか…と。
そんな考えの松野の目の前にずい、とポテトが差し出される。
ポテトを摘んだ白い指の持ち主、Aが心配そうに松野の顔を覗きこんでいた。
「千冬くんどしたの?これ食べる?」
「…はい、頂きます!」
あぁ、確かにこれは堕ちるわ。
松野はそう確信し、Aの指ごとポテトを食べた。
そしてぺろりとAの指を舌で舐めて、一言。
「んー、ちょっと冷めてるっすね」
「ち、千冬くんって大胆なんだね…」
びっくりした、と小さく呟くAの頬は珍しく薔薇色に染まっていた。
Aの照れ顔を5人はガン見する。
それに気づかずAはストローをちう、と吸ったのだった。
「ッいっって!!」
その後松野はAの見えない机の下でマイキー、龍宮寺、三ツ谷、場地に思い切り足を蹴られたり踏まれていた。
「千冬ゥ、後でツラ貸せよ」
「あー俺も」
「1対4だな」
「入隊試験だ、千冬!」
「俺死ぬっスよ」
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まる(プロフ) - 律さん» ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。 (2022年4月10日 23時) (レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - YUKIさん» よかったです…!続編もよろしくお願いします。 (2022年4月10日 23時) (レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
律 - 90話が2つあります (2022年3月24日 14時) (レス) id: 9309c00326 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI - 見るのが初めてだったのでよかったです。 (2022年3月1日 17時) (レス) @page32 id: 4941e1735c (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 芹奈さん» 遅くなり申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたので良ければご確認ください。 (2022年2月3日 1時) (レス) @page16 id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月21日 17時