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「ッA!!なんでバラしたんだよ…!」
「隠してる方が可笑しいでしょ、立てる?武道くん」
「ハイ、なんとか…」

焦ったように言う乾を一瞥し、花垣に手を差し伸べる。頭を抑えながらも花垣は手を取りフラフラになりながらもなんとか立ち上がった。そんな2人の様子を見ていた大寿は大きく舌打ちし、八戒へ視線を寄越す。

「八戒、俺の命令が聞こえねぇのか?テメェは東卍である前に俺の弟だ。つまり兄である俺の命令は絶対だ」
「家族の絆は仲間のソレより上だろ?」

「兄貴、2人はこの辺が黒龍のシマだって事知らなかったんだ、だから…」

大寿に詰め寄られ吃る八戒を見かねた柚葉が大寿と八戒の間に割り込んだ。

「大寿!八戒をあんま追い詰めんなよ!」





刹那、大寿は柚葉を殴り飛ばした。

Aの喉の奥から締め付けるような、声にならない叫びが溢れ出る。Aは女子が男子に殴られる光景を初めて見た。自身と同年代の女子が体格もまるで違う生き物に暴力を振るわれた事実が理解できなかった。


「大丈夫!?…大寿くん、Aと話した内容忘れたの?有り得ない、女の子、しかも実の妹に手あげるなんて」
「………これは柴家の問題だ」

Aは慌てて柚葉の元へ駆け寄り、身体を起こして声を掛ける。大寿はAから視線を外し、再び花垣を殴り飛ばし、そのまま何度も拳を花垣へ撃ち込む。

「八戒見とけよ、兄ちゃんが代わりに尻拭いしてやる!これが絆だ」
「いい加減にして!」

見かねたAが大寿の元へ近寄ろうとしたのを柚葉は腕も掴んで止めた。柚葉は慣れたように口元に伝う血を拭って立ち上がる。

「危ないよ、大寿はアンタにも容赦しない」
「…それでも武道くんを見殺しになんてできないから」

心配してくれてありがと、と柚葉に笑いかけるA。その笑顔を見た柚葉は酷く安心したような気持ちになった。その隙にAは花垣と大寿の元へ近づいて行く。


「もう辞めて。それ以上やれば東卍への宣戦布告と見なすよ、大寿くん」
「引っ込んでろA、お前が東卍の幹部って知った以上俺はお前を殴れるんだぞ」
「Aを殴るのはいいけど、これ以上武道くんを殴るのは辞めて」
「Aちゃん、いいですから…!危ないっすよ!!」
「よくない、武道くんは東京卍會の大事な一員だから」


「大事な東卍をAが守るんだ」


柔らかな笑顔で花垣にそう言うA。その姿は思わず誰もが見惚れてしまう程であった。

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飛鳥 - 続き楽しみに待ってます! (3月14日 7時) (レス) @page36 id: 2cfd6d6f99 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - めっちゃ好きです!!!続き待ってます!気が向いたら更新してください!応援してます! (12月29日 17時) (レス) @page36 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (10月28日 20時) (レス) @page35 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのみき - 東リベの夢小説史上面白い小説でした!更新頑張ってください! (10月13日 22時) (レス) @page34 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新ありがとうございます‼️最高です (10月6日 23時) (レス) id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる | 作成日時:2021年10月16日 21時

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