115 ページ15
.
「ッA！」
「竜胆くん」
竜胆が珍しく息を切らしながらコンビニへ入ってくる。
「待った？悪ぃ」
「ううん、すぐ来てくれてありがとう」
「んじゃ行くか。何処行きてェの？」
竜胆はするりとAに近寄り腰をぐい、と引き寄せる様に抱き寄せた。
「うん、あのね？浴衣…一緒に選んで欲しいの」
「浴衣？いいよ。どこの店？」
「A、あんまりわかんないから竜胆くんに案内してもらおうと思って！可愛いお店連れて行ってくださいっ」
にこっと笑ったAに竜胆は心を掴まれる。ぐっと可愛さを噛み締めながらも「おう」と小さく呟いた。
___
「わあ、いっぱいあるね〜」
竜胆が連れてきた店には、夏真っ只中ということで色とりどりの浴衣が並べられていた。
「好きなだけ選べよ、Aならなんでも似合いそうだけど」
「ほんと？可愛いの探そーっと」
「おー」
そう言ってAは店の中を吟味する様に練り歩く。時に立ち止まって、ゆっくり浴衣を見比べた。
「ねぇ、竜胆くん」
「ん？」
Aは手に持っていた2つの浴衣を竜胆に向けて見せる。
「どっちがAに似合う？」
「あー…どっちも似合うと思うけどこっちだな」
と、竜胆は左手に持っていた菫色の浴衣を選んだ。
「A、肌白いから濃い色の方が良く映えるだろ」
「なるほど…あっ！」
何か思いついたように声を上げるA。
「この色、竜胆くんの目の色とおんなじだね」
そう言って花が綻ぶように笑うAを見て、竜胆は何も言えなかった。唯々顔、耳まで赤くして照れるのみ。
「ありがとー！買ってくるね！」
「………ッあ、ちょっと待て」
そう言ってレジの方へ向かうAを止める竜胆。
「どーしたの？竜胆くん」
「俺がAに金出させるわけねーだろ、貸せよ。買ってくる」
「えっ、いやいやいや！お金持ってきてるよ？」
「…デートで好きな女に金払わせる様な男に見える？俺」
先程までとは一変したかのように、眉を下げAへそう尋ねる竜胆。やはり弟気質なのか、可愛らしさが滲み出る。
「うっ…見えないです」
「だろ？ほら貸せ」
と、竜胆はAの頭を撫で、浴衣を手にしレジへと向かっていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2611人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - ドンさん» 応援していただけて嬉しいです（ ; ; ）更新頑張りますので今後ともよろしくお願いします…！ (2021年10月5日 21時) (
レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - まるさん» 分かりました、更新頑張ってください応援してます！ (2021年10月5日 19時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ドンさん» コメントありがとうございます！夢主は自己投影して頂ければ嬉しいです…(^^) (2021年10月3日 20時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年10月2日 12時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 癒し系猫さん» 恥ずかしい（ ; ; ）変換ミスです💧教えてくださりありがとうございます（ ; ; ） (2021年10月1日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まる | 作成日時：2021年9月25日 20時
