少しの不安 ページ13
ガランガラン…
ちょうど十時、お店のドアが古びた鐘を鳴らしながら開く。
「よっ、おはよ。」
「おはようございます、って何してるんですか?」
マルコさんはドアの外から顔だけを覗かせ、こちらを見ていた。
「いや、入っていいのかと思ってよい。」
「今さら何言ってるんですか…
今日は自由に使って下さい。
私は二階にいるので、何かあったら呼んでくださいね。」
私はそう言うとカウンターから出て行こうと、一歩踏み出す。
「お、ちょっと待てよい!」
「…?」
マルコさんが少し焦ったように止めるから、私は立ち止まり後ろを振り返る。
「暇なら、手伝ってくれねェか?」
「え、でも私お医者さんの事なにも分からないし…」
急にそんな事言われても…
「隣で俺が言った道具を取るだけでいいからよい。」
「で、でも…」
「…一人で待ってる時間は心細ェんだよい。」
マルコさんは少し目尻を下げ、少し悲しそうな表情になる。
「うっ…」
その顔がまるで子犬のようで、私の心は揺らぐ。
「〜ッ、わ…かりました。」
私は迷いを断ち切るとマルコさんの隣に座る。
「お前案外いいやつだな?」
「…そんな事言われても、嬉しくありませんから。
あと、いつも一言多いです。」
私は火照った顔を隠すように横を向く。
「ハハッ…今日は俺の一日助手としてよろしくよい。」
「よろしく、お願いします。」
私は少しの不安を持ちながら、マルコさんの隣で大きく深呼吸をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
文ストオタクの一般人 - うん！ふたりとも可愛いね！私が貰いたいぐｒ（（（マルコ (2023年3月16日 18時) (
レス) @page50 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - 桜桃さん» はい、ごめんなさい。妖精姫の物語シリーズはいろいろ考えた末に消させて貰いました。温かい応援ありがとうございました。またいつか少し変えて書き直せたらいいな、と思っているので、いつか。機会がまたあればぜひお願いします。 (2019年12月3日 18時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - yaさん» いえいえ、ありがとうございます！！！！結構前に完結したのに、読んでくれてる人がいて嬉しいです！！ヽ(；▽；)ノ 鼻水！？yaさんの鼻水はきっと綺麗です……！！！笑 (2019年12月3日 18時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - 妖精姫の物語という作品は削除なさったのですか？また見れるのを楽しみに待ってます。 (2019年12月3日 18時) (レス) id: f53004e46c (このIDを非表示/違反報告)
ya - 今更ですが、完結おめでとうございます。泣きまくって鼻水ダラダラです。（きたな） (2019年12月3日 1時) (レス) id: 890b8aa433 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チュロス | 作成日時：2019年9月9日 17時
