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―――結果的には未遂だったらしい。

保健室のベッドで静かに眠るマルを、横に置いたパイプ椅子に座って眺めながら、担任と保健医の会話に耳を傾ける。

あの変態教師は、俺の様子がおかしいと思い追いかけてきた教科担任に取り押さえられた。

俺はというと、パニックを起こして暴れ回っていたらしく、目を覚まさないマルと共に保健室に運ばれて来たようだ。

先生たちの話をまとめると、マルが意識を失っていた原因は頭を強く打ったから。
どうやら彼はかなり抵抗したらしく、それに激昂した変態教師に殴られて、その衝撃でロッカーにぶつけたらしい。

男が気を失ったマルに跨り、制服のボタンを外し終え、ベルトに手をかけたところで運良く俺が駆けつけたってわけだ。

「未遂」という言葉に心底安堵したが、マルのショックは相当なものだろう。
同性、しかも自分より大きく、強い者に襲われたのだ。怖くなかったはずがない。

未だ眠っている彼の頬を労るように撫でていると、保健医から声がかかった。

「大倉くんは、怪我、大丈夫?」

「……え」

「殴られそうになってたって聞いたから」

「あ、えっと、大丈夫です」

殴られはしなかったが、いくらか暴行されたことを思い出し、強く掴まれた腕を見てみたが、特に異常は無かった。

「そっか、良かった」

保健医は安心したように息を吐き、担任の元へと戻っていった。

もう一度自分の腕を見る。

呆気なく突き飛ばされた体。押さえつけられた時には指一本動かせなかった。

(何も、出来なかった…)

相手は大人の男だし、中学生の俺が力で勝てるわけが無いけれど。
俺が一緒について行ってあげていたら。もう少し早く駆けつけてあげていたら。

あの男がマルをそういう目で見ていなければ。

彼が襲われることは無かった。

なにが「マルちゃんを守れる男になる」だ。

力の強い相手にはどうしたって勝てないのだから。

(マルには誰も近づけさせなければええんや)

そうすれば、変な奴が彼に好意を抱くこともなくなる。

先程より随分と安らいだマルの可愛い寝顔を見つめる。

ああ、ホンマ可愛い。
どんな手を使っても、俺が守ってあげるから。



―――中学二年、夏
俺の中で、何かが壊れていくような気がした。

今更すぎる設定~大山田編~→←13



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エイター - 凄く面白いし好きです!更新頑張ってください!! (6月11日 0時) (レス) id: 7274972671 (このIDを非表示/違反報告)
すずまる - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください ! (4月30日 22時) (レス) id: bace7ae54d (このIDを非表示/違反報告)
ももも - 面白いです。これが理想のBLですね!更新頑張ってくださいね! (4月18日 18時) (レス) id: f71b3e4232 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちーかま | 作成日時:2019年3月9日 0時

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