第二訓 ページ4
高杉サイド
俺にはずっと探している大切な妹がいる
俺とは6つも年が離れていて、他人とは話すこともできない人見知りで、俺とは正反対に表情がコロコロ変わる愛らしい妹
周りの奴らは妹のことを”出来損ない”とけなすが、俺はそんなもの関係ない
実力重視の家に生まれた俺を”天才児”としてしか見ようとしない周りの奴らなんかより…俺自身を見てくれて、俺を一人の兄として慕ってくれる妹が大好きだ
……萌える←
だが、そんな妹は父親の策略により家を出て行った
その行為に、今まで我慢していた
その日から学舎に行かなくなり、毎日毎日……暗くなるまで妹を探し続けた
しかしいなかった。家の周り、よく行った広場、神社、隣町までの至る所を探しても見つからなかった
そんなある日…俺はあいつに出会った
俺より強く、何度やっても一本も取ることができない、俺と同じくらいの歳の銀髪の天パ野郎
大事な妹を探すのも忘れて、何度も何度も…毎日のようにそいつのいる道場に通って、その度にボコボコにされた
どうして妹よりもそいつを優先するのかわからない。けど、何故かそこへ向かう足を止めることはできなかった
そして毎日の努力は実り……ついに俺はそいつから一本取ることができた。ついにそいつを越えてんだ!
俺はガキの頃からの友人である桂小太郎と大いに喜んだ
だがそいつからは「俺より強い奴はいる」と言ってきやがって、内心ワクワクしていたんだ。もっと強い奴と戦える
そう思ったのも束の間だった
俺の目の前に……今までずっと探していたたった一人の愛しい妹、高杉Aが現れたのだから
心から喜んだ俺をよそに、Aは涙目で俺に背を向けて走り去ってしまって、俺は追いかけることもできないでいた
銀「どうしたんだ?Aのやつ」
小「あの子がお前より強い奴なのか?そうは見えんが…」
高「おい、あいつはいつからここにいんだ」
銀「あーっと…確か一年くらい前じゃねェか?先生が《帰る場所がないらしいから》って連れて来たんだ」
ここに来たのが1年前、家から出て行ったのも1年前…やっぱりあいつは間違いなく俺の妹だ
銀「たしかあいつには兄貴がいるらしくてな、そいつに追いついて隣を並んで歩けるようにって、少し前まで毎日のようにがむしゃらに竹刀を振ってたぜ」
その瞬間…俺の心に空いた穴にその言葉がぴったりとはまった感覚がして、俺はAを追いかけて走り出した
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季奈乃 - この作品すごく面白いですね! 更新も頑張ってください! 応援してます!!!!! (2017年9月23日 13時) (レス) id: 937f71cb5a (このIDを非表示/違反報告)
香菜 - とても面白いです!これからも更新を頑張ってください!ほかの作品も作ってください! (2015年11月2日 17時) (レス) id: 39880b9d7b (このIDを非表示/違反報告)
信女(プロフ) - 面白いです!私も人に教えられるようなネタ持ってなくて…、初コメ失礼しました!更新頑張ってください! (2015年9月9日 6時) (レス) id: 58e33b6721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2015年8月24日 19時