第八訓 ページ11
高杉とヅラは、もう松陽に懐いてる
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Aサイド
冬…
森の木々いっぱいに赤く色づいていた葉は枯れ落ちた
空からは綿のようにふわふわとした真っ白な雪がゆらゆらと降り積もる…
庭はそんな雪に包まれて、見渡す限りの雪化粧の雪景色…犬のように銀兄が元気に走り回っている
あたかた満足したのか立ち止まって息を整えると、こっちに大きく手を振った
銀「おーい!お前らも来いよォ!」
そんな風に大きな声でA達を呼ぶ銀兄の言葉に…返答はもちろん…
高「『断る!』」
だったりする…
今のA達の格好は、
兄様が縁側に座って
Aが兄様の膝の上に座って
兄様がA達を包むように布団を羽織ってる
と、とにかくぬくぬくしてた
だって…A達は二人揃って寒いのが苦手だから、ここから出たらAは死んじゃうもん!
そんなことを考えていた時、頭の上に何か冷たいものが被さって上を見上げると…顔に雪の塊をつけた兄様の顔があった
どうやらそれは銀兄が投げた雪玉みたいで、兄様の顔から雪が落ちるとAの頭に落ちてきて、兄様は怒った顔でその雪を払ってくれた
そのことにほんのり嬉しくなっていると、兄様はAに布団を残して立ち上がった
高「テメェ…俺だけじゃなくAにまで当てやがって…」
銀「ボンボン坊ちゃんはお外に出たこともありませーんってか?」
高「上等だ!剣術だけじゃなくて雪合戦でもギャフンと言わせてやる!!」
銀「剣術でも勝てねェのに雪合戦で勝てるわけねェだろうがァ!!」
桂「二人とも、何を騒いでいるんだ?」
銀高「「ヅラは黙ってろ!!」」
桂「ヅラじゃない桂だァ!俺も混ぜろォ!!」
そして始まった寒いのに熱い雪合戦を眺めていると、隣に松陽先生が座った
松「Aはやらないのですか?」
『A、寒いのいや』
松「どうして?」
『……寒くても…誰もあっためてくれないから…』
数年前の寒い冬の日を思い出してそう言うと、先生は微笑むと暖かいお茶を縁側に持ってきた
松「三人とも。休憩にしましょう」
それで三人はすぐに戻ってきて、兄様はまたAを膝に乗せて布団を羽織った
先生はそんな様子を眺めて、Aに微笑む
松「ほら、今はみんなが温めてくれます。安心しなさい」
そう言ってくれた先生の言葉に…Aの心はポカポカしてた
そのあと、雪合戦をしたらあっつくなって、みんな仲良く風邪をひいた
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季奈乃 - この作品すごく面白いですね! 更新も頑張ってください! 応援してます!!!!! (2017年9月23日 13時) (レス) id: 937f71cb5a (このIDを非表示/違反報告)
香菜 - とても面白いです!これからも更新を頑張ってください!ほかの作品も作ってください! (2015年11月2日 17時) (レス) id: 39880b9d7b (このIDを非表示/違反報告)
信女(プロフ) - 面白いです!私も人に教えられるようなネタ持ってなくて…、初コメ失礼しました!更新頑張ってください! (2015年9月9日 6時) (レス) id: 58e33b6721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2015年8月24日 19時