プロローグ ページ1
とあるところに1人の幼く可愛らしい少女がいた
彼女はとても人見知りで、他人ともまともに話すことすらできない…武家に生まれた”臆病者”
月日が過ぎるにつれ…誰からも期待されず、誰にも必要とされない”独りぼっち”
そんな少女には、年の離れているが血の繋がった兄がいた
彼は、頭が良く運動もできて社交性もあり、さらに顔も良い…武家に生まれた”天才”
月日が過ぎるにつれ…多くの人から期待され、たくさんの人に必要とされる…人々を引っ張っていけるような兄
だが兄は周りからの評価を一切気に留めず、年の離れている血の繋がった妹を大層可愛がった
独りぼっちの少女は兄の優しさを知り、独りは
しかし、それを良く思わない人物がいた
兄妹の父親だ
父は妹に嘘をついた
「お前は本当は私の娘ではない」と…
少女はショックを受け、父はさらに
「血の繋がりすらない役立たずを家に居させることはできない。即刻出て行け」と…
少女は心に深い傷を負い、誰にも告げることなく家から出て行った
父親は大いに喜んだが、兄はそのことに非常に怒りを覚えた
今まで完璧にこなしてきた勉強や運動をすることを止めて、学び舎にも行かずに毎日…毎日…妹を探し続け、”一族の天才”は”一族の恥さらし”となった
そして家を出て行った少女は…行き場をなくし途方に暮れていた
そんな時、一人の青年が歩み寄ってきて、少女に声をかけた
「こんなところでなにをしている?」
「親はどうした?」
その問いに少女は無表情のまま『ない』とだけ答えた
そんな少女を見た青年は少し考えた後、ポンと少女の頭に手を乗せ、撫でるように優しく手を動かした
いきなりのことで固まっていた少女は、頭に乗る温もりに…頭に兄の姿を浮かべていた
「私のところに来ますか?」
そう言いながら青年は少女に微笑みかけ、少女はそう言ってきた青年を見つめながら、ポロリと涙を流し、青年にしがみついた
そんな少女の行動に驚いた青年だったが、フッと微笑みながら泣きじゃくる少女の頭を撫でた
青年の名を…
兄の名を…
そして少女の名を…
青年との出会いが、少女の運命を大きく変えていくことになる
緩やかな波ではいられない
大きく激しい荒波に飲まれていく…
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季奈乃 - この作品すごく面白いですね! 更新も頑張ってください! 応援してます!!!!! (2017年9月23日 13時) (レス) id: 937f71cb5a (このIDを非表示/違反報告)
香菜 - とても面白いです!これからも更新を頑張ってください!ほかの作品も作ってください! (2015年11月2日 17時) (レス) id: 39880b9d7b (このIDを非表示/違反報告)
信女(プロフ) - 面白いです!私も人に教えられるようなネタ持ってなくて…、初コメ失礼しました!更新頑張ってください! (2015年9月9日 6時) (レス) id: 58e33b6721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2015年8月24日 19時