儚く、甘く、…繋ぐ。【5】［Reo.S］

He 24 ページ48

「…やめてください。
…悪いのは、俺です。
だから、こんな事になって…

こんな風に、急に居なくなるなんて…
何にも聞いてないんです。何も分からない。
やっぱ俺、愛想つかされたかな…、はは。」


H「玲於…」


「…いつも、行き当たりばったりで
無責任に彼女を振り回しちゃったから。
…あの日、あの店で俺があんな事さえしなきゃ、
ケンゴさんに関わる事も、たった一人で
怖い思いさせる事もなかった…
…俺のせいだ。
…でも、でも俺、…会いたいんです。
彼女が居なきゃ、俺ダメなんです…」



涙が零れてた。体が震えてた。



H「…玲於っ、しっかりしろ！」


HIROさんは俺の肩を抱えて、

しっかり抱き締めてくださった。



H「…なんでカオルさんが居なくなったのか、
そこは俺には分からないけどさ。
彼女が、…お前と、GENERATIONSの事を
すごく大切に考えて守ってくれた事は
間違いないし、俺でも分かるぞ。
…彼女の行動に、きっと意味の無い事はない。
お前と自分の為に決めたんじゃないかな。」



HIROさんの掌から伝わるのは

体温だけじゃなく熱い気持ちと優しさ。



H「……頑張れ、玲於。な？」


「…はい。」



俺の涙が止まるまで

HIROさんは胸を貸してくださった。



.



隼「よ。」


「……おう。」



HIROさんの部屋から出ると、隼が立ってた。





「…柏木は？…元気、戻った？」


珍しく揃ってオフを貰ってた俺達は

昼飯を食べながら話す事に。



隼「ん。ツアー終わって、やっと僕にも…
色々話してくれたよ、愛さん。
その流れで教えてくれたんだけど…、
玲於がAちゃんのお父さんと会った後、
手紙を貰ったって。
…Aちゃんから。」


…え…､


「…え？マジで？え？どこから来てたって？
今どこに居るって？」


持ってたスプーンが音を立てて落ちる。

隼の腕を掴んで詰め寄る形になった。



隼「ちょちょ、ちょっと玲於！」


＿ゴンッ！


「痛っ！」


"落ち着け"そう言わんばかりに頭突きされた。


隼「はぁ、いて〜…、僕も痛いわ、これ。
…まぁ、ちょっと落ち着いてよ。」


「ごめん…」


隼「ご家族が直接届けたみたいで…消印は無し。
"必ず連絡するから待ってて"って。
感謝とか思い出話ばっかで、Aちゃんの
現状には全く触れられてなかったって。
愛さんは、待つしかないって笑ってた。

…後は僕にさ、
"玲於を頼む"って書いてあったって。」


.

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