儚く、甘く、…繋ぐ。【5】［Reo.S］

彼のために 4 ページ24

-隼said-



愛『…で、Aはしばらく実家、ね。』



「…お母さん妊娠中だし、何か事故でもあったら
大変だからさ。Aも一人にしたくないし、
お父さんと一緒なら安心でしょ？」



愛『元は玲於の無謀な行動が原因でしょっ！？
……まぁでも、あんたにしては考えた、よし。
…あ、隼〜！おかわり２本〜！』



若干酔いながら真面目な話をする愛さんと玲於…


いや、あんたらココ、僕んちだけどね…。

まぁ二人でリラックスしてくれてますね。



隼「…はいっ！どぉぞぉ！」



僕は、ドン！と音を響かせながら、

ローテーブルに新しいビールを２本置いた。



Aちゃんが背中を押してくれて、

僕と愛さんがめでたく恋人にレベルアップした

あの日から…１ヶ月。



あの夜の事は翌日開かれた緊急メンバー会議で

HIROさん直々に教えられた。



あの時あの写真で着てたジャージ…。


玲於はその新しいアパレルメーカーの

イメージモデルに起用された。


首都圏にも数店舗しか出店してなくて

まだまだ一部のオシャレさん達の間でも

知る人ぞ知る的な新しいメーカーだったから

お互いにとってメリットがあったらしい。


奈々さんが撮った写真は僕らメンバーも

見せてもらえて、…うん、良い写真だった。



つい一週間前から掲示が始まったポスターは

Aちゃんが玲於の頬をつねってる場面が

切り取られた可愛いもので、

それを一目見ようと集まるお互いのファンで

狭い店をぎゅうぎゅう詰めにした。



…と、共に隠し撮りされていた写真も

信憑性を増した。



ざわつくネット上。


週刊誌の記者もGENEの周りを張ってる。



玲於はAちゃんも暮らすあのマンションを

特定される事を嫌って、ウチに転がり込んだ。



何としても、あの場所を守りたいんだって。


僕のマンションは事務所に探してもらった

物件だから、うち側の関係者が結構住んでる。


友達が遊びに来ても、かなりごまかしやすい。



僕の可愛い恋人もよく足を運んでくれるよ。



…ただ、玲於が転がり込んだお陰で

僕はここんとこ絶賛欲求不満中だけどね！

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