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この世界には鬼の音が全くしなかったから安心していたのかもしれない。
私は師匠や善逸同様耳がいい。
だから音の呼吸も私には合ってたし
任務の時にも何度もこの耳のおかげで助かっている。
人間と鬼の音は全く違う。
私はこの音の区別が出来ていたのに最近全く聞いてなかったからか。
もしくは耳が悪くなったのか。
扉の前の存在には全く気が付かなかった。
玄関付近で扉が壊れるような硬い音がした。
誰のものかわからない足音と同時に母の悲鳴が響いた。
「ひっ！ぁｯ、A…ｯ！逃げてぇええぇ!!!!!ぅ、敵がｯ！中に……っ……｡､」
母の声が途切れた───。
グチャグチャという汚い咀嚼音が聞こえる。
時々、骨が折れだような音も聞こえた。
たべられている。
母が……鬼に……！
強さ的には上弦にも満たない雑魚鬼。
だけど、それでも……！
こっちが圧倒的に不利！
今の私には日輪刀がない！
本当は逃げたい！でも、母が……
鬼の足音がこっちに近づいていく。
外も誰かが通報したのだろうか。騒がしくなっている。
私は戦力に少しでもなるであろう台所にあった包丁を持って鬼が来るのを待った。
外ではヒーローがいるのだろうか。
声が聞こえる
「俺の個性じゃ不利だ！ほかのヒーローは！？」
「俺も無理！ほかのヒーローが来るのを待つんだ！」
私の中でプチりの何かが切れた。
敵を倒すのがヒーローじゃないのか。
なんで誰も助けに来ないんだ。
すぐ目の前に敵がいるのに野放しなの？
おかしい……おかしいよ。助けてよ。
後一歩か2歩でドアを開けて鬼がこっちに来る。
怖すぎて涙が出ない。
一か八か戦うしかないのか。
だってヒーローは助けてくれない。
他に助けてくれる人なんていない。
がんばれ！がんばれがんばれ！やれば出来る！私は出来るんだ！
……派手にがんばれ。お前は出来る子なんだ……
師匠が言ってくれんだよ。私は出来るって。
「だから派手にお前を倒すｧｱｱ!!!!!」
私の叫び声と同時にドアが破壊する音が聞こえた。
鬼が殴ってくる。
私はまだ小さい体だからすばしっこく逃げることが出来る。
逃げることが大事だ！日が登れば鬼は消える！
それまで耐えろ！
頬や腕が熱い。避けきれなくて所々血が出ている。
すばしっこくても体力は全然ない。
もう息が絶え絶え。
キツイ、つらい、泣きたい、
「……ガｯｯ！」
足が絡まって転んでしまった。
手足が震える！立てない！
鬼はすぐそばまで来ていた━━
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赤みの黒(プロフ) - めっちゃ面白くて大好きです！無理せず頑張って下さい！ (2020年11月5日 9時) (
レス) id: b60d53a004 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 更新待ってます！！ (2020年8月14日 0時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
Yes！！ - 面白いです!！更新を楽しみにしているので（無理の無い程度に）頑張ってください!応援してます!！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 21f7438531 (このIDを非表示/違反報告)
青春を返せ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2020年5月16日 13時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 更新されるの楽しみ待ってます！！！ (2020年4月27日 19時) (レス) id: a9119a2c12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｽｩｯｯ x他1人 | 作成日時：2019年5月31日 18時
