お誕生日の彼【江口拓也】

ばーすでー ページ4

「お腹空かない？」

「全然空いてないです」

「俺空いたんだけど、ご飯食べない？」

「まだ見たいところあるんでいいですか？」


壮馬の燃費が良すぎて引く



16:57


もうすぐ17時だけど


収録のあと何も食べてないハズだから


「あ！この服拓也さんに似合いますよ！」


壮馬が手に持ってるのは

富士山のイラストが描かれたTシャツ


「そんなのいつ着るんだよ！！」

「ペアルックしましょうよ！」

「カップルか！」


俺がツッコむと

いいと思ったんだけどな〜

そう言いながらもとの位置に戻す

どのへんがいいんだよ


再度始まった壮馬の買い物に付き合って少しした頃


買い物はもういいのかスマホとにらめっこを始めた


「何してんの？w」

「脳内で処理が追いつかない文章が目の前に…」

「文系の壮馬が処理できないなら俺は無理だ〜」

「あ、理解しました

拓也さん、かえりましょう」


「え？」


「急いで急いで！！」


俺の腰辺りを押しながらそう急かす壮馬


なになになになに

まじで今日どうした


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押されるがままにアウトレットを出て駅に向かった

「そういえば車じゃないんですね！」

「うん、なんとなく歩きの気分だった！」


まさかそんな

俺、誕生日だから現場とかでお酒もらえるかもと思ってさ☆

なんて言えるわけない


「そうなんですね〜

たまにありますよね、そういうの、景色見ながらゆっくり歩くのとか楽しいですよね」

「季節というかときの流れ感じるよね」

「はい」


そこで途切れた会話

執拗にスマホを確認する壮馬


マネージャーと連絡取ってるとかかな


こいつも最近めっちゃ忙しそうだからな〜



体だけは壊さないでほしい

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