恋愛漫画[岩本照] ページ16
少女漫画って凄いと思う
カッコイイ男の子と可愛い女の子が出会って、恋に落ちる
最後は絶対ハッピーエンド
そんな世界に生まれたかったなぁ
なんて、雨が降っている目の前の光景を見ながら、ボーッと考える
もし、こんな状況が少女漫画の中に描かれていたら、間違いなく、イケメンな男の子と相合傘をして帰るのだろうけど、生憎私にはそんな相手はいない
教科書は濡らしたくないけど、帰らないといけないしなぁ
困っていてもザーッと振り続ける雨が時間が進んでいる事を告げるだけ
王子様が来てくれないかな、と思って後ろを振り返ると
岩「なにしてんの？」
『なんだ、岩本かよ』
岩「なんだよ、その言い方」
そう言いながら、折りたたみ傘をカバンの中から取り出す彼は、案外しっかりしているオトンタイプ
岩「今、失礼な事考えた？」
『いや、頭の中で褒めてた』
岩「ふーん」
特に興味を持っていなかったのか、それ以上追求せずに折りたたみ傘を開いた
うわ、こいつ私の前でそんな事するのか、おい
岩「なに？今日もしかして傘忘れちゃったの？」
『せいかーい』
岩「うわっドンマイでしかないじゃん」
うーん、と考える素振りをしてから「やっぱりそうしよ」と呟いて、開きっぱなしの傘を差し出してくれた
『貸してくれるの？』
岩「うん、貸1な？」
そう言った彼は、カバンを頭の上に置いて、振り続ける雨の中を駆け出し始めた
え？もう一個持ってないのに、私に貸してくれたの？
そんなの、まるで少女漫画じゃないか
『岩本！』
岩「なに！？」
走っていた岩本はピタリと止まって、私の方に振り向く
『ありがとう！！！』
岩「いーよ！」
あぁ、言えなかった
本当は、一緒に入って帰ろうって言いたかったのに
勇気、出なかったな
好きな人との相合傘をする程の甘い少女漫画の関係にはなれないみたい
だけど、ちょっと甘酸っぱい、ラズベリーのような恋なら出来そうな気がする
『なんだ、私ヒロインじゃん』
少し優越感を感じて、傘をさして歩き出した
彼がいつもこの取手を持っているのか、と思うと自然と力が入る
幸せな空間
そんな風に考えながら、段々強くなってくる雨の中歩く
『私、やっぱりヒロインになりたいなぁ』
出来れば、甘い甘いケーキのような少女漫画の中のヒロイン
食べるだけでとろけそうな、時には甘酸っぱいイチゴの入っているケーキ
そんな風に考えながら、彼に思いを馳せていたのだった
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ルな(プロフ) - 一番最初のシリーズから読ませていただいてます。もう感激です✨なんでこんな神小説見つけるのおそくなっちゃったんだろ .... 佐久間さんのペースでいいので、どうか戻ってきていただきたいなと思います😢ずっと待ってます ‼ そして応援してます !! (2022年8月18日 10時) (
レス) @page27 id: 0c9a247f04 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 恋日誌から、読ませて頂いてます！色んなジャンルがあり、毎日読んでも面白いです‼更新待ってます！ (2022年4月7日 17時) (レス) id: 45421e6c59 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - コーヒー豆さん» そう言って貰えてすっごく嬉しいです！ありがとうございます！神だなんて言って貰えて幸幸です♡ありがとうございます！ (2022年3月5日 20時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー豆 - ほんとに佐久間さんの作ったお話好きすぎて何回も繰り返して見てます!! 佐久間さんは``神``でやんす！ (2022年2月21日 19時) (レス) id: a7da1e1812 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - しおさん» え！？そんな事言って貰っちゃってたんですか！！嬉しすぎてヤバいです泣そう言って頂ける方がいるから頑張れます！ありがとうございます🥰 (2022年1月15日 10時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐久間さん | 作成日時：2021年10月26日 20時
