127話 行ってきます ページ38
『お母さんが審神者だったからでしょう？』
おばさんは、私の言葉に驚いていたが、やがてゆっくりと頷く。
『＿＿しかも、私がいた肥後国の審神者。』
……考えてみれば、色々つじつまが合うのだ。
お金にうるさいおばさんが、国家公務員(しかも高収入)をあれほど無理矢理辞めさせようとするほうが不思議だった。
しかも、あの一件の後、私は毎月すんごい額の振り込みしていたし。
……まぁ、そのお金はあの通帳に入れて、最終的には帰ってきたのだが。
もし、お金が欲しいだけなんだったら、わざわざ審神者を辞めてしまうかもしれない、あの私のお母さんからの手紙を渡すだろうか？
＿＿なんで今まで気づかなかったのか、不思議なくらいヒントは沢山あった。
審神者部屋に置いてあった、同じ機種の古い携帯。
刀剣男士の制度が出来て以来、初めての死亡事件である、検非違使襲来だって母が死んだころと、時期がちょうど重なっていた。
報告書の、娘の文字。
手紙に書いてあった守秘義務、お金の心配はしなくていい、とか。
そりゃそうだ、何回も言うが、審神者は国家公務員であり、国家機密の職業だ。
前任とどことなく似ている、と言われたこともあったっけ。
4年前、私は確かに母に依存していた。
毎日欠かさず日記のようなメールを送り、いつか母が迎えに来て、こんな生活が変わって、幸せすらよく分かっていなかったのに、そんな毎日が来るんだと、信じてた。
審神者は生涯一生をかけて務める仕事だから、まぁ無理だったんだけど。
おばさんは私が『母は検非違使によって殺された』、ということを知ったら、壊れてしまうのが目に見えていたのだろう。
実際、そうなったとは思うが。
簡潔に言えば、これらはおばさんなりの『優しさ』だったのかもしれない。くっそ分かりにくいが。
『＿＿……ます。』
「は？」
私の声は届かず、おばさんは聞き返す。なんでこの人は一々、威圧的な言い方しか出来ないのだろう。
『……ありがとうございます。』
おばさんは、しばらく驚いたまま動かなかったが、我を取り戻したのか、ふとそっぽを向いた。
「＿＿この後、どうするの」
椅子から立ち上がった私に、おばさんは問いかける。
「まぁ、分かってるけど。止めたって行くでしょ。」
『はは、……ごめんなさい。』
ドアに手をかけた私に、おばさんは言った。
「いってらっしゃい。」
『＿＿行ってきます。』
今度は私の意志で。
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セブーレ(プロフ) - 及川パドルさん» ヒッ、ヒエーーー。怖すぎる・・・ (2019年3月13日 23時) (
レス) id: 3aca8b7000 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - セブーレさん» 次やったらマジでﾋﾟｰすぞ☆彡 (2019年3月13日 23時) (レス) id: b4e1cbb006 (このIDを非表示/違反報告)
セブーレ(プロフ) - 及川パドルさん» 更新頑張ってね！この前は本当にごめんなさい。( ﾉ_ _)ﾉ (2019年3月12日 7時) (レス) id: f60e44f631 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - woo！順位更新！ありがとうございます！ テスト終わったんでバリバリ書いていきます！！……多分。 (2019年3月1日 20時) (レス) id: b4e1cbb006 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - お久しぶりです。及川パドルです。 ご報告です。 マジで参では終わらなさそうです(微笑)。 これあれですね、終わる終わる詐欺ってやつですね。すみません。 もう少しだけお付き合いしてくれればうれしいです。 (2019年2月16日 12時) (レス) id: c922ba8d0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：及川パドル | 作成日時：2018年10月6日 14時
