君と繋いだ手の先へ part2【イナイレ】 (ページ7)

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「…ところでさ。最近何かあったのか？」
「え？」
「昨日電話で話していた時、どことなく様子がおかしかった気がしたんだが…」

ドキッとした。
多分、私がフィディオとの約束を思い出して一瞬黙ってしまった時。
やはりマークには気付かれていたみたいだ。

どうしよう…やっぱり話した方がいいのかな……
特にやましい事なんて無いから、話しても問題ないんだろうけど…

…いや……

「ううん…本当、何でもないよ。変な心配かけちゃってたらごめんね」
「…なら、いいんだが」

私がそう言えば、マークもそれ以上は聞いてこなかった。
少しだけ申し訳ない気持ちはあるけれど…
それでもフィディオの気持ちを考えたら、今はまだ話せないと思ったんだ。

それから時間が許す限りたくさん話をした。
普段話自体は夜に電話でしているのに、不思議と話題が尽きない。
マークに聞いて欲しい、彼の話をもっと聞きたい…ずっとそんな気持ちがあるから。
それにもし話題が尽きたとしても、こうして傍に居られるだけで幸せなんだ。

けれども、幸せな時間はあっという間に過ぎていくのが現実。
気付けば出発時刻まであと少しまで迫っていた。

「ごめん、もう行かなきゃ…」
「そうみたいだな。出口まで一緒に行こう」

自然な動作で私に手を差し出してくれる。
その事に嬉しさを感じながら私は彼の手を取った。
私よりも大きくて、意外と骨張った手。
この手を握る度に男の子だなぁって…いつもドキドキさせられてしまう。