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「お味はいかが？」
「うん、美味いな！さすがジャパンの料理だ」
そこから彼の手は止まる事を知らないかのように、次々とおかずを口に運んでいく。
その食べっぷりをみているだけでお腹がいっぱいになるくらいだ。
焼き魚以外のおかずも目にする度に目を輝かせる彼はいちいち可愛い。
正直、ずっと見ていても飽きないよ。
けれど、私だけ食べない訳にはいかないので私もご飯を口に運んでいった。
「そういえば、ここはご飯のおかわりが無料だから、食べたかったらどんどん食べてね」
「な…本当か？それは素晴らしいな…そう言う事なら遠慮なく」
彼はちょうどなくなったご飯を早速おかわりした。
やっぱり食べ盛りで男の子なんだなぁ…と、しみじみ感じたり。
こんなに細い体でも、よく食べるのを見るとちょっぴり不思議な気分。
あ…でも、ユニフォームから覗く腕とか足は結構しっかりしていたっけ……
今はジャージを着ているから見えないけど、試合の時の彼を思い出して少しだけ顔が熱くなる。
うわ…なんか変態っぽい？私……
幸いにもご飯に夢中なマークには気付かれていないみたいでホッとした。
昼食が済んだ後はイタリアエリアへ。
街並みも日本にはないお洒落な街並みで、自然と心が躍ってしまう。
橋を渡っていると、下に流れる綺麗な川をボートがゆっくりと流れていくのが見える。
私はふとあの夜の事を思い出した。
「イタリアエリアって素敵だよね。あの景色は感動したなぁ…」
「？前に来た事があるのか？」
気付いた時には時既に遅し。
マークが不思議そうに私を見つめている事でより焦ってしまう。
そうだった…フィディオに告白された後のデートの話はしてなかったんだっけ…！
ここまできたら今話すしかない。
「あ…えっと、実はね……」
「その景色をAに見せたのは俺だよ」
突然聞こえたその声に私達は反応した。
「フィディオ！」
こんなタイミングよく現れた彼にかなり驚かされた。
噂をすれば何とやら…とはまさにこの状況を指すのだろう。
「それはどういう意味だ？」
「Aから聞いてなかったんだね。前に一度だけ俺のわがままで、Aが俺とイタリアエリアでデートしてくれたんだよ。友達として…だけど」
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
