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「決勝戦か…もうここまで来たんだな。短いようで、あっという間だった」
「うん…私、ちゃんと選手達をサポート出来るかな…一番緊張してるのは彼らかもしれないのに、ダメだね…私ったら……」
ぽろりと口に出した弱音。
マネージャーの私がこんなのでどうするんだって、我ながら思う。
実際に選手としてフィールドに立つ訳でもないのに…
するとマークが私の名前を呼んだ。
ゆっくりと顔を上げれば、私の目をじっと見つめる綺麗なエメラルド色と目が合った。
「お前はいつも通りにしていれば良いんだ。これまでだって何度も支えてきてくれたんだろう？それは明日も同じで、これから先もだ」
その言葉だけでどれだけ私の助けになったか。
やっぱり…マークは私にとって魔法みたい。
どんなに不安でもこうして一緒に居てくれるだけで、そんな気持ちはすぐに何処かへいってしまう。
「そうだね…うん、マークの言う通りだよ。いつも通りの私でいれば、大丈夫」
「その意気だ。それでこそAだな」
自然と二人で笑い合う。
こうして笑い合うのも、何度目だったかな。
「もう平気か？」
「うん。マークのおかげでね！」
「ふっ、役に立てて良かったよ」
マークは手をついて立ち上がると、私に手を伸ばした。
「もう大分遅いし、そろそろ帰るか」
「あ…そうだね」
私も目の前の手を取ろうとした直前、一瞬だけある考えが頭によぎる。
そのまま彼の手を取って立ち上がれば、自然と顔が近い位置に。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
