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その後、腕輪の件は一旦置いておく事になり、みんなでまたグラウンドに移動して中断していた練習を再開する。


「あら…あそこにいる人って……」


練習を再開して数分後、夏未ちゃんが階段の方を見て呟いた。
それにつられて彼女の見る方へと目を向けてみる。

「ああ!イタリアの白い流星じゃん!」

そこにはフィディオが立っていた。
練習風景を楽しそうに見ているみたい。
突然の彼の登場に円堂君が嬉しそうに声を掛ける。

「何だよ突然!そうだ、一緒に練習しないか!」
「いいね!ボールをくれ!」

フィディオに向かって円堂君が空高くボールを蹴る。
そのボールを受けたフィディオは空中で誰かにパスを出したのだ。
ボールの行く方向を辿っていくと…

「テレス!」

今度はジ・エンパイアのキャプテンであるテレスさんが登場。
そこからまた違う方向へパスを出して…


「マーク!」


「あ…!」

テレスさんがパスを出した相手…それはマークだった。
まさかの登場に思わず嬉しさから口元を手で覆う。

昨日マークが言ってた楽しみにしててくれって…この事だったのかな?


それからマークのパスはディラン君へ、そして最後にエドガーさんにボールが行き渡ると、彼の必殺技であるエクスカリバーが放たれる。
円堂君はイジゲンザハンドで受け止めてみせた。

「見事だ」

今まで予選を戦ってきた各国のチームのキャプテンが勢揃いという、なかなか見ない光景が目の前に。
ちょっと贅沢な光景に内心感動してしまうくらい。
特にリカちゃんも同じだったのか、彼女が一番喜んでいた…主に顔が良いという理由でだけど。


どうやら彼らはイナズマジャパンに激励の言葉を贈りに来てくれたみたいだ。
今まで戦ってきた相手だからこそ、その言葉の数々には重みを感じられる。
こんな嬉しいサプライズがあるなんて…おかげでみんなの士気もますます上がるんだろうな。


「あ、そうだ!これだけのメンバーが揃ったんだ。一緒に練習やろうぜ!」


円堂君の提案にみんな大賛成。
赤組と白組の二チームに分かれての試合をする事に。

チームの色分けが決まり、試合が開始する直前の僅かな時間、私はマークの元へと駆け寄った。

「マーク!」
「どうだった?サプライズは」
「やっぱりこの事だったんだね。ビックリしちゃったよ」

昨日の答え合わせをすれば、予想通りの答えで納得した。
焦らさないで普通に教えてくれればいいのに、ってちょっと思ったけど…たまにはいいのかもしれない。

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作者名:結川 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/users/17663132  
作成日時:2021年8月23日 16時

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