作戦コード・e98086e8a5b2 ページ10
「えー!!?なになに!?楽しいことするの!?」
大部屋に集められたミナは誰もが予想していたとおり大声でリアクションを取る。
「……。」
コヨミは口元に巻かれた包帯の上から人差し指を押し当てる。静かに、というサインだ。
「コヨミがそう思うんなら黙るー!!」
んっ!と口にチャックをしたような仕草をして、言葉を飲み込むことにしたようだ。
そろそろ本題に入りたい、とムクはレナに視線を送り指示を促した。
「大事な話があるから、少し黙ってくれないか?ほんっとうに大事な話なんだ」
「レナが其処まで言うってことは、只事じゃなさそうだね」
ヒトハが何かを察し、ヤイチに喧嘩をふっかけていたロミの動きを抑えた。
「…お前がリーダー面してんのが気にいらねーけど……ヒトハが言ってんだったら聞いてやる。さっさとしろ」
「それが…得策」
「とりあえずホワイトボードにある程度の文字書いてね〜」
「こんなに一致団結してるところ、初めてみた…!」
ヤイチが静かに感心しているところで、ムクが話し始めた。
「計画やら作戦やらは後回しにしましょう。結論から言えば
脱出しましょう、この研究所から。」
遠まわしな言い方など知らなかったかのよう。ドストレートに用件だけを伝えた。
「脱出…ねぇ。ミコトも考えたことあるけど、ちょっと現実的じゃあないんじゃないかな?」
「ぅん……!僕もそう思う…!!」
ミコトとミナが控えめに批判する。
「そこで、頭脳派の自分とレナとヤイチで計画を立てた訳です。そんな計画も無しに自分たちが提案するなんてありえない。」
ムクは紙をホワイトボードに貼り始めた。
「これがここの全体図だよ。見ての通りすんごく広い!まぁここで暮らしてたら大体分かると思うけど、皆自分たちの部屋がある廊下しか見つけたことない…よね?
設計図も見つけたから、一緒に見てほしい。
……ここ、どう考えても隠し扉があるんだよ。
だから、私たちが分からないように細工してるだけで、何処かに抜け道がある筈なんだ!」
「名付けて、『作戦コード・e98086e8a5b2』」
「長い長い!コヨミが面倒すぎて白目剥きそうだって!」
__そうだ、【失敗作】はここに居なければならない理由なんて何処にも存在しないじゃあないか
狭苦しいこんな世界からとっととおさらばしてやろう_____
この場にいる九人の心が一致した瞬間だった。
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真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» いえいえ、そんな…!あなたのコメントは消さずに残しておきます。 (2018年9月19日 16時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 真裏さん» そんなに暗い感じにさせてしまってすみません!ただ、気を付けて欲しかっただけなんです。ご丁寧に返信していただき、ありがとうございました。なお、私のコメントは消していただいても構いません! (2018年9月5日 19時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» ご指摘ありがとうございます。配慮が至らなかった点については申し訳ないです。今後はこういったことが起こらないように注意していきます。 (2018年9月5日 19時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 失礼します。この作品の説明欄に「ヒロアカ」という単語があります。オリフラが立っているので、「ヒ〇アカ」などとぼかすか、その部分を消したりした方が良いかと…。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - ありがとう!ボケボケの記憶を頼りに青で描きましたぜ! (2018年1月23日 19時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真裏 | 作成日時:2017年10月8日 1時