製造ナンバー・NO.3510 ページ5
研究者が何かを話している。
それに少女が気づいたのは食堂に向かう道でのことだった。
…なに話してるんだろう？せめて何か資料でもあれば！
曲がり角の影からこそこそっと覗き見をするが、資料らしきものは手に持っていなかった。そして、踵を返そうとした瞬間、研究者の一人とばっちり目が合ってしまった。不味い。
「(ヤバイヤバイヤバイ！！あのマッドサイエンティストのことだから何やりだすか分かったものじゃないんだけど！まぁ大切な娘な訳だから殺されはしないだろうけど)」
少女は全力で走りながら自分の心の逃げ場を作った。
息は切れて、鼓動は異常なまでに動いている。だが、それは感じるだけで音はしない。いや、正確には、音はしているが少女には届いていない。
少女の名はミコト
製造ナンバー、NO.3510
ミコトの耳には、他のよりも短い、黒い包帯が巻きつけてある。
「あ、耳痛い痛い！きつく結び過ぎかな！！？マッドサイエンティストめ！」
ミコトは、聞こえない。
それは、どんな音でも、どんな言葉でも。
つまり、先程の会話は何も聞こえてなどいないかった。そのこともあって研究者はミコトのことを追わなかったのだろう。
「は〜…あ、ついでに食堂寄ってこう！ちょうどお腹が空いててよかった」
入口まで行くと、自分よりも２０ｃｍ程大きい背中が目に入った。
「ちょっとレナ？そこで止まられると入れないんだけど…」
「え？あ、ごめんごめん！…って、聞こえないのか」
勿論、ミコトには何を言っているのかさっぱりな筈。
だが、長い付き合いだ。大体言おうとしていることは分かっている。
「…っだぁ！なんでハゲ達は首を動かせなくして作るかなぁ…これくらい頑張れよ！俺、めちゃ不便なんだよなぁ」
「…あれ！？聞こえてないの！！？ちょーっとレナさーん？」
「……っやべ」
まぁいっか！とりあえずお腹を満たして部屋に戻ろう！
聞こえなくてもここまでお気楽に過ごせるのは彼女の適応力が群を抜いているからだろうか。
どこまで行ってもポジティブシンキングなミコトは、ときどき姉妹を混乱させるのであった。
・・・・・・
NO.3510 ミコト 聞こえない
〈データ〉
身長 １４８ｃｍ
体重 ４０ｋｇ
性格 優しい
好物 辛味
年齢 １３歳くらい
備考 内面お姉さん
悩み 見た目で甘やかされる
製造ナンバー・NO.81 ＆ 製造ナンバー・NO.1108→← 製造ナンバー・NO.07
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真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» いえいえ、そんな…！あなたのコメントは消さずに残しておきます。 (2018年9月19日 16時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 真裏さん» そんなに暗い感じにさせてしまってすみません！ただ､気を付けて欲しかっただけなんです。ご丁寧に返信していただき､ありがとうございました。なお､私のコメントは消していただいても構いません！ (2018年9月5日 19時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» ご指摘ありがとうございます。配慮が至らなかった点については申し訳ないです。今後はこういったことが起こらないように注意していきます。 (2018年9月5日 19時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 失礼します。この作品の説明欄に｢ヒロアカ｣という単語があります｡オリフラが立っているので､｢ヒ〇アカ｣などとぼかすか､その部分を消したりした方が良いかと…｡ (2018年9月5日 17時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - ありがとう！ボケボケの記憶を頼りに青で描きましたぜ！ (2018年1月23日 19時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月8日 1時
