ひぼうりょく ページ25
「う〜ん……もうここらへんにはなんもないみたいだね」
棚にあった資料類、書類を全部床に叩き落とし、さらっと目を通してからミコトは言った。
「………!!」
コヨミは、垂目の中の瞳を微かに輝かせ、扉を指差し『次に行こう』と意思を見せた。
そんなに探検が楽しいのか。
ナナミはどうしても不思議にしか思えなかった。
「んじゃあ、次の部屋に行こうか。隣の部屋は確か此処よりも大きかったはず__」
ドアノブに手をかけ、扉を開けようとした、その時だった。
「ん〜??誰と話してるのぉナナミぃ?」
扉の前には白い服を着た女性が、にたりと笑って立っていた。
「え〜??い〜っや!私が独り言多いの知ってるでしょ?それそれ!だから気にしないし問題なーし!これからは気をつけるよ、ごめんね?うるさかったでしょ」
「んっふふ、そうね〜」
ナナミは内心、どうにかして二人を隠しつつ、あわよくば撃退できないかと作戦を練る。
「(ま、でもここの棟はそうならないようにできてる……人選的にもね。ああ、それにコヨミもミコトも戦闘は苦手そうだし。辛辣そうではあるけど…)」
「ナナミは隠しごとが下手ねぇ…まるで幼児を相手にしているかのようだわぁ」
先程よりも嫌らしい笑みをにたにたと湛えながら、誘拐犯のごとくナナミに近づく。
「も〜、何話してるのか知らないけど、ミコトは別に力が無いって訳じゃないし!」
「……!!!」
明らかにコヨミは殺意の目を女性の研究員に向けている。
「それ…本当に言ってるの?」
「作戦なんてないんでしょおぅ?さっさと捕まっちゃいなさいなぁ」
「コヨミ、行くよ!!作戦コードは無し!ただただ走り抜けるー!!」
「…!!」
意表を突いた名もない戦術は、研究員を困惑させるのに充分なものだった。
「ありが____ナナミ____!!また__ね!!」
「……」
いつの間にか姿が小さくなった二人は大きく手を振り、その後もどんどんと小さくなっていった。
「なに、あの子たちぃ…」
「ちょっと、よく分かんないわ」
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真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» いえいえ、そんな…!あなたのコメントは消さずに残しておきます。 (2018年9月19日 16時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 真裏さん» そんなに暗い感じにさせてしまってすみません!ただ、気を付けて欲しかっただけなんです。ご丁寧に返信していただき、ありがとうございました。なお、私のコメントは消していただいても構いません! (2018年9月5日 19時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» ご指摘ありがとうございます。配慮が至らなかった点については申し訳ないです。今後はこういったことが起こらないように注意していきます。 (2018年9月5日 19時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 失礼します。この作品の説明欄に「ヒロアカ」という単語があります。オリフラが立っているので、「ヒ〇アカ」などとぼかすか、その部分を消したりした方が良いかと…。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - ありがとう!ボケボケの記憶を頼りに青で描きましたぜ! (2018年1月23日 19時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真裏 | 作成日時:2017年10月8日 1時