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作家と彼女 ページ4

俺は世の中でイケメンと呼ばれる部族が嫌いだ。決して自分がイケメンじゃないからとかではない。決して。

「さっきから僕の顔じろじろ見てなんなの?そんなに見てもお前が僕と同じくらい顔がよくなることはないんだよ?」
「…いや、お前の顔がモザイク処理では追いつかないくらいぐちゃぐちゃになったらどうなるのか想像してた」
「人の顔で何想像してんだ!」

人の家に勝手に上がり込んで、人の家のリビングで当然のようにくつろぎ、人の家の本棚を勝手に漁り、そして勝手に読み始める非常識な男がいる。
しかもその男が世間では人気の俳優。さらに付け加えるなら、この男が俺の書いた本が映像化されるときに主人公をやるときた。

「マフィンできましたよ」
「食べる」

四季折の作ったマフィンを口に運びながら、スマホの画面に目をうつす。
検索エンジンの人気検索ワードに『佐倉皐月(さくらさつき)』の文字があるのが大変腹立たしい。美味しいはずのマフィンが視覚から腐っていきそうだ。

「僕の名前だけで眉間に皺寄せないでくれる?」
「そうだな。姿を見れば一瞬で狂気に陥りそうだ」
「重先生、煽るのもいいですけどポロポロこぼさないでください」

残り半分くらいになったマフィンを一気に口に放り込み、口を開こうとすると四季折からの鋭い視線。口に入ったまま喋るなということか。

「にしても、よくもまぁ重の癖にこんな恋愛小説書けるねぇ」
「どういうことだ」
「お前みたいな恋愛経験皆無の奴に、よくこんな物語書けるなって」

物語は、あるトラウマを持った主人公が、今にも海に飛び込んで、そのまま消えてしまいそうなクラスメイトの女子を助けることから始まる。
思いつきで書いたものだったが、これがめちゃくちゃ売れた。特に女子高生とかそのへん中心に。
売れたのはいい。実写映画もいい。なんで主演が佐倉皐月(こいつ)なのか。

「恋愛経験皆無なわけねえだろ。高校生の時に彼女くらいいたわ」
「えっ」
「えっ」

佐倉と四季折の声がはもった。なんで四季折まで驚く必要がある。別に高校生の時に彼女の1人や2人くらいいたっておかしくはないだろ。

「重先生彼女いたんですか!?」
「いたけど…」
「マジで?お前なんか好きになる物好きの娘っているんだ」

ここまで言われるのは心外だが、これ以上は口を開かないようにしよう。
なにせ

「1週間とかで別れたとかだったらウケる」
「うるせえ!!!!!!」

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作者名:零紅 | 作成日時:2017年7月18日 0時

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