【実/況/者】ぱられる2【短編集】 (ページ10)

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ネクタイ@FB777 ページ10

「…これ、俺にくれるの？」
『FBの為に買ったんだから当たり前でしょ？』

そう言うとFBは優しく私を抱きしめてくれた

『あっつい、離れて』
「ありがとうA…！ありがとう！一生大切にするから！」

本当暑い
けど、嫌な気持ちはしないし正直離れてほしくなかった
本当正真正銘バカップルだ

次の日からFBは毎日私のプレゼントしたネクタイをつけてくれてる
毎日、職場に来るたびFBがそのネクタイを付けてくれていることに喜びを感じていた

『これ、私にくれるの？』
「当たり前でしょ！Aの為に買ったんだから！」

23歳の誕生日の日、私はFBからネクタイを貰った
お互いにお互いの誕生日に同じものをプレゼントしあうなんて本当にバカップルか

「あと、さA」
『何？』
「俺達…同居しない？」

突然の言葉に少し目を見開いてしまう
けれど、私の返事は一つしかない

『…喜んで！』

その日から私とFBの同居生活が始まった

そこからだ
狂い始めたのは

「行ってきます」
『…行ってらっしゃい』

そう言って唇にキスをする
すると、FBは満足したかのように家を出る

同居、いや軟禁と言ったほうが正しいか
この生活が始まった瞬間から、全てが狂った
まず、手始めに会社を辞めさせられた
同じ会社に勤務していたのというのに

最初のうちは買い物程度なら出歩かせてくれた
けれど、今はもう首に繋がれた首輪と鎖で家から出ることは許されない
あちらこちらに監視カメラが設置されてるから、脱出なんてできやしない

そもそも脱出しようなんて思わないけど
だって、FBは私のことを愛してくれてるし私もFBを愛してるから

本当、今も昔も変わらないバカップルって思う

それに私が変な真似さえしなければ、FBが私に手を出してくることはない
本当、優しいんだから

そういうところが大好きなんだ

不器用で、愛を伝えることが下手で、すごい奥手で、すごい優しい私の彼氏
ずっと愛してる