テスト勉強と願い事@フジ ページ17
そして休憩して勉強を再開した。
とはいえ頭の中にはさっきの話がチラついて少し集中出来ていないのだが。
ふと視線を逸らすとフジが描いてくれた私を含めた笑いあっている5人の絵が見えた。
絵の中の彼等が「頑張れ」と言ってくれているように思えて、集中し直し、またプリントに向きあった。
────…
何時間経ったのだろう。あの話から話そうとしなかったフジが不意に話始めた。
「…ねぇ、俺の好きな人さ、本当に分からないの？」
「え？うーん…分かんないな…あ、〇〇ちゃん！？」
「いや、誰だよ！」
「3組の子！」
「知らないから！」
相変わらずのツッコミで笑いそうになる。
「…はぁ、分かんないのかぁ」
「うん、分かんない…」
思い当たる人を思い浮かべようと考えてもフジは結構な女子と話しているため、思い当たる人が浮ばなかった。
「…あのねぇ。いくら何でも
誰これテスト勉強何かに付き合わないよ。」
「…え？」
つまり、どういうことだ…？
「…だから！俺が好きなのは！
Aだよ！馬鹿！！」
ヤケクソ気味にそう叫んだフジの顔は外の夕日に負けないくらい赤かった。
…と言うか
「…私！？」
「そうだよ！ずっっとAの事思ってたんだよ！！」
頭が追いつかない。フジが好きな人が私…？
…そうか
「…へへっ、私も好きだよ！フジ！」
「…へ？」
そうだった。
「私だって！
誰これテスト勉強見てもらおうとしないもん！」
と、少しドヤ顔で言うとポカンとした後呆れ顔で近づいて来て、抱き締められた。
「…ドヤ顔で言うな！」
「まぁまぁ！嬉しいでしょ！」
「…まぁね！」
と、何時もの向日葵みたいな笑顔で笑った。
「あ、ねぇねぇ。前みたいにフジにお願い事していい？」
「？良いけど…？」
「じゃあ…
テスト勉強も、テストも終わったら！
デートしてくれますか！！」
と、言ったらフジはまたポカンとした顔をした。
でも…
「…よーし！分かった！テスト勉強とテストが終わったら行こうか！」
またいつもみたいに笑った。でも、向日葵じゃなくて今度は太陽みたいな笑顔で。
絵の中の5人が「おめでとう」と笑顔で言ってるように思えたのは、少し浮かれた思考回路のせいなのだろうか。
進暇隊長
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