【実/況/者】ぱられる2【短編集】 (ページ14)

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自覚と無自覚と本音@ABU ページ14

今年の８月、一つの事故があった。
〇〇高校で一人の男性が事故にあった。
家の近くで起きた事故だった
大きな音だった、その音にびっくりした私は急いで靴を履き全速力で走った。
事故の場所についた時、私はその光景を疑った。見覚えのある、顔。髪。
嘘、嘘だ。こんなの信じない。信じたくない。
信じてしまったら気が狂いそうだ。

『ア、アブ?』

情けないほど、声は震えていた。何かがこみ上げてきそうだった。

よろよろと、近づく。

『嘘だよね、嘘。』

既に息絶えたアブを抱える。
冷たい、すごく冷たい。あぁ、私を押し倒した時はあんなに暖かかったのに、でももう抱きしめることも、押し倒すことも出来ないんだよね。ぽつりぽつり、涙を流す。その涙は血だまりへと消えた。

『っあ..大好き、好き。』

こんな事言っても君には届かない、遅い、すべてが遅すぎたんだ。ごめんなさい。ごめんなさい。心の中で謝る。

君に素直な気持ちを言えなくてごめんなさい。
気づかないふりをしていてごめんなさい。
好きだと言えなくてごめんなさい。

好き、大好き。こんな私を好きになってくれてありがとう。
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自覚と無自覚と本音
アルター