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自覚と無自覚と本音@ABU ページ13

「君変わってるね」

そう言うと手を離し、こう言ってきた。

「君、名前は?」

...すごく言いたくない。名前言ったら絶対なんかある。

『...言いたくないです。』

「助けてあげたんだから言ってくれてもいいんじゃない?」

それを言われると、言うしかないじゃないか。
あぁ、最悪。

『...A、』

「うん。Aちゃんね、A...とてもかわいい名前だね。君に似合っている。」

そんな事言われたことなかったから、なんて言えばいいかわからない、ただただ、顔が熱くなっていくだけだ。こいつ落としにかかってる。

「それじゃ、授業始まるからじゃあね。」

『ちょ、ちょっと待ってください!!』

大きい声で言うと、びっくりしたのか目を見開いて、振り返った。

「な、なに。」

『貴方の、貴方の名前はなんですか。こっちも教えたんですから貴方も教えてくれてもいいでしょ?』

「あぁ、名前?俺はアブって言うんだ。よろしく。」

アブ...どこかで聞いたことある。思い出せないけどこいつには注意しておこう。私はそう思ったー...。


これがあいつと初めてあった時の思い出。
それから、ずーっとあいつは私にしつこく話しかけてきた。正直ウザかった。一度はつよく怒鳴った時もあった。けれどあいつはへらへら笑って、ごめん。の一言で済ませた。それで許してしまう私も私だ。ウザくてもアイツの笑顔が好きだった。

『正直になればよかった。ほんとバカだ。』

今頃こんな後悔しても遅い。
なんで本当の気持ちを言わなかったんだろう。
やっと気づいたよ。

あいつが好きだ。

こんな無愛想な私に笑顔で話しかけてくれた。
その笑顔が大好きだった。けれどその笑顔はもう見れない。




なんたって君はもういないから。

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作者名:上記参照 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年7月7日 20時

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