【実/況/者】ぱられる2【短編集】 (ページ11)

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ネクタイ@FB777 ページ11

『お帰りなさい！』
「ただいま」

今日も笑顔で出迎えてくれる俺の彼女
本当に可愛いなぁ

『FB、今日の夕飯はカレーだよ』

いつも俺の食べたいと思ったものをピンポイントで作ってくれるA
本当よくできた彼女だ
俺には勿体ないくらい

『FB？もしかして昼カレー食べてきたとか？』
「いや、違うよ。ただ珍しくAが俺が今日食べたいもの外したなーって」
『えっ！ごめん…』

あぁ、その落胆した表情も本当に可愛い
本当今すぐに食べちゃいたいくらい

「そんな落ち込まないでよ！…今日食べたいのはAなんだから」
『えっ…？』

少し顔を赤らめながら期待したような表情
もう我慢できそうにない
理性なんてものは音なんて立てる間もなく簡単に崩れていく

Aをソファーの上に押し倒し、その上に馬乗りになる
首輪を外すと、鎖が音を立てて床に落ちる

『FB…痛いのは嫌』

大丈夫、痛くなんかしない
俺はAから貰ったネクタイを解き、Aの首に巻き付ける

『FB…？』

やめてよ、虐めたくなっちゃうじゃん
一気に締める

途端に瞳孔を開き、苦しそうな表情になるA
その表情最高すぎる

『え、ふ』
「今楽にしてあげるからねA」

Aだって痛いのは嫌だろうし
俺だって悲鳴を挙げられて警察沙汰になるのは嫌だ

『え…ふ、び……、き』
「うん、俺もAのことは好き…いや、心の底から愛してるよ」

殺したいくらい、食べたいくらいに

Aは満足そうに、笑顔のまま目を閉じた
そのまま動かなくなった

「いただきます」

動かなくなったAの前でちゃんと手を合わせる
偉いでしょ？俺前までこんなことしなかったのに
Aのおかげで変わっちゃったよ

ああ、本当Aは美味しいなぁ
Aが今この瞬間俺の体内に入ってるんだ、これ以上の喜びはない

「本当はもっと食べたいけど、我慢だよね」

Aの右腕を食べ終わったところで、ご馳走様でしたと手を合わせる
そして、俺がAにあげたネクタイを身に付けた
これで、お揃いだねA
あと、少しだから

Aを部屋のドアの前まで連れていき、俺自身のネクタイを部屋のドアノブに引っ掛ける
以前ネットで見た、簡単な首つり方法というものだ

「おやすみA」

朦朧とする意識の中でAと恋人繋ぎをし、Aの唇にキスをした
いつも、Aが俺にしてくれるように

これからも、一緒だよ

―――

零紅/ネクタイ