コイワズライ ２

約束したやろ ページ7

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翔吾side





昨日の夜、壱馬から飲みに誘われた。
って言っても壱馬の家でだけど。

あの後、頑なに言わない俺に諦めて
一緒にボイトレ室に向かっただけで、
壱馬は俺に、何も聞いてこなかった。

それが有難いのか辛いのか、今の俺には分からないけど。
でもそれでも、何も聞いてこないのは
壱馬の優しさやって事は分かるから。


ボイトレ室に入って、陸さんがすぐ俺に
大丈夫？って言ってくれたんだけど、
スタジオでの西さんを思い出すだけで怖くなって
また何も言えなかった。なんでだろう。




翔「ごめん壱馬、お待たせ」


壱「いや、久し振りに山彰さんと話せたし。山彰さんありがとうございました。また今度飲みましょ」


山「おー。翔吾もお疲れ」


翔「お疲れ様でした！お先に失礼します」




リハで落とされたフリの確認だけして
壱馬と二人でマネージャーに送ってもらった。
そういえば壱馬の家、久し振りだな…

そのまま泊まっていけば、なんて
誘われたしお言葉に甘えて今日は泊まらせてもらう。


相変わらず綺麗に整頓されていて、
ソファには可愛らしいぬいぐるみが何個もある。
壱馬にも可愛い一面があるんよな〜笑

ソファに座って二人で缶ビールを一口。
陸さんはあんまりビール飲まないから、
久し振りに飲んだらやっぱ美味いな〜！

疲れてるからか酔いが回るのが早かった。
壱馬は全然酔ってないけど、
俺は時間が経つほど良い感じに酔ってきた。




壱「なぁ翔吾。翔吾の性格を知ってるから気づいてるねんで。俺とか山彰さん、樹とか海青とかは特に。」


壱「あの日約束したやん、これからは俺らに頼るって。まぁ、翔吾が言いたくない事は言わんでええけど…」


壱「それでもいつか話したくなったら話して。そんときまで俺らは何も言わんよ。ただこうやって何でもない話でもしながら飲もうや」




壱馬の言葉はいつも優しい。
人一倍、優しい言葉で溢れてる。
人の気持ちを蔑ろにせず
その中で自分が伝えたい事を
優しい、温かい言葉で伝えてくれる。

誠実で、丁寧で、温かい。
そんな壱馬の心に、
俺も誠実に応えたいと思う。




翔「…ありがとう、ほんまに。」


壱「んーん、ちょっとでも気にかけてくれたらいいねん笑」




前みたいに、皆んなに甘えられたら
どれだけ楽なんだろう。

酔いもさっきより回ってたから
言うつもりなかったのに、声に出てたらしい。




翔「……はなれんとって、」





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