コイワズライ ２

秘めた想い ページ21

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山彰side





翔「お騒がせしました、…った！っやましょーさぁーん、」


山「アホ。どうせAの事泣かしよったやろ」


翔「…すいません、」


山「アイツの思ってる事、全部聞けたじゃろ？」


翔「…やっぱり山彰さんでした？」


山「別に俺は何もしとらんよ。お前らが仲良くしてくれればええだけ」


翔「頭上がらないっす…ありがとうございます山彰さん！」




2日間休んで、少しはマシな顔をしてきた翔吾。
あの日Aに連絡して正解だった。
電話越しに不安そうな顔をしているのが声で分かったから
俺もめちゃくちゃ不安やったけど、
お互い向き合えたみたいだから良かった。


…うん、良かったんだよ。
今更Aとどうこうなりたいなんて思ってないし。

ちょっとモヤモヤした胸の内なんか
別に誰にもバレてないし。




山「…んだよ」


海「……いや、山彰さんはそれでいいのかなって」


山「…は？なに急に笑」


海「俺、知ってるんですからね！バレてないって思ってたら大間違いですよ！」


陸「俺も同意見でーす。山彰、気づいてるの多分何人か居るよ？」


山「…え？ちょ、待て壱馬、お前も？」


壱「……察して下さい」


山「…ちょっと外出ます、恥ずかしくて皆んなの前に居られない」




翔吾と話した後、一息つきながら
一人モヤモヤと戦っていたら隣に海青が座ってきて
なんだと思ったらそんな事を言い出した。
しかも陸さんと壱馬まで。

何だって言うんだ、マジで。
俺、本気でAが幸せならそれでいいって、
翔吾と二人上手くいけばいいって願ってる。
これは本気で、心の底から。

でもやっぱり、モヤモヤは取っ払えない。
何これ、まだAの事が好きだからって事か？
んな訳、……あるんだよなぁ。


Aと出掛けたあの日から、
もうこの気持ちは封印しようって決めたけど
それが出来ずに居るのは未だに好きだからだろう。

でも告白はしない。だって、告った所で誰が得すんの？
Aを困らせて、翔吾に気を遣わせて、俺も傷付く。
え？ハッピーエンドなくない？
告うって事は、翔吾がAから離れたという事。
その時が来たら考え、る事も無いけど。


だけどもう、痛いほど分かってるから。
Aを幸せに出来るのは翔吾しか居ないんだ。
どれだけ笑顔にする事は出来ても、
泣き止ませる事は出来ても、
幸せにする事は俺には出来ない。




山「…あ"〜、辛ぇなぁ〜、」





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