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「Aちゃん誕生日何欲しい？」
日に日に近づいてくるわたしの誕生日。
それをハッキリ意識しだしたのか、そんなことを聞かれる。
「健永くん。」
「いや、真面目に答えてよ！」
「至って大真面目ですう！」
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ブーブーふてくされてる私に健永くんはケラケラ笑って、でも最後は真面目な顔して取り合ってくれる。
「もちろん俺自身は全部あげるよ？でも他になにかないの？」
サラッとそんなこと言ってくれちゃうから、心臓がうるさい。
実際、健永くんを貰えるなら他には何もいらない。
…って私は痴 女かっ！
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健永くんの一人暮らしの家のソファに座って、健永くんの淹れてくれたルイボスティーを飲んで
隣で健永くんが私の髪の毛をゆるゆる触ってくれてる
…これだけでも幸せなのに、健永くんの全てをもらったら、幸せの多量摂取で死んじゃうかも。
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「今時の女子大生が欲しいものなんて俺わかんないよ〜」
「いいの、健永くんが私のために選んでくれたものならなんでも。」
「Aちゃんってさ、たまにとびきり可愛いこと言うよね？(笑)無自覚なんだろうけどさー、反則だよそういうの。」
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少し間を空けて座っていた距離も、健永くんに肩を引き寄せられて一気に縮まる。
当たり前のようにキスされる雰囲気。
だけど…
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「だめ」
「へっ？」
近付いてきた健永くんの唇から逃げるように身を引いた。
「私が２０歳になるまで、だめ！」
「ちょっとAちゃん？どういうこと？」
「私も我慢してるんだから、健永くんもキスぐらい我慢してよ」
たまに意地悪してみたく、なっちゃうんだ
健永くんが目をまん丸にして驚いてる。
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「…ねえ、」
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いつもより幾分か低い声を出した健永くんに一瞬ビクッとすると、そのまますぐにまた引き寄せられた。
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「俺が我慢してないとでも思ってるの？」
「だって…」
「Aちゃんは全然わかってない」
「…健永くん？」
「どんだけ無防備なのって話。俺だって毎日我慢してるよ？早くAちゃんのこと抱きたいもん。」
「っちょ！わかった、わかったから！//」
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急に出された大人の雰囲気に、なんだか恥ずかしくなっちゃってリタイア。
心臓ばくばくなのを抑えて一枚上手の健永くんをじとーっと睨んだら
「顔真っ赤、かーわいっ」
なんて言ってほっぺをつつかれる。
所詮私の強がりなんてバレバレみたい…
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作者名：コツメ | 作成日時：2019年6月10日 22時
