93話 ページ45
｢うーん…では業者市に出品するというのはいかがでしょう？｣
｢｢『業者市…？』｣｣
ゴ｢業者市か！プロが参加する訳だから、本物だったら高く売れるよね！｣
キ｢出来ればオークションに掛けたかったんだけどなぁ｣
『いくらで売れるかなぁ？』
キ｢確かめて見るか！｣
キルアに連れられ私たちは骨董品店に寄った
｢ほーん…これは君ん家の物だよね？｣
キ｢うん！お父さんが値段次第なら売って来いって！｣
と迫真の幼児演技で言うキルア
｢どれも良い品だよ！この限定50で販売されたリトグラフのシリアルナンバーも1桁だし…作者のサインも本物だ！」
｢まぁ15万はするだろうねぇ…これも素晴らしいアンティークドールだ！状態も良いし、箱と部品が無傷で残ってるのは価値をあげている！これも30万はするねぇ！｣
私達は顔を見合わせて笑顔になる
｢あ、だが…これは残念ながら大した物じゃないなぁ…
箱と像の年代が明らかに違うんだ…。箱は最近作られたもの。像自体も堀が荒くて統一性に欠ける。せいぜい1500ジェニーってとこかな！｣
ちょっとだけどオーラは出てるのに…
｢ただし、それは像としての値段ね！この木自体は、知る人ぞ知る値打ちものだ！
そこで、君達に相談なんだけど…もしこの絵と人形を42万で売ってくれたら、この木も8万で買い取ってあげるよ！｣
キ｢合計50万か…どうする？｣
ゆっくり考えて、とおじさんは木の年代を調べる為に裏へ行こうとした
｢待ちな｣
その声に一同は振り返る
｢その木像、そこに置け｣
｢なんだ君は！｣
｢ボウズ達、騙されんな。絵と人形の値段は妥当だが、木像に関してはデタラメだ！｣
｢ぼ、僕は嘘なんかついてない！｣
｢そうか？その木に8万も出す古美術商はいねーだろ。お前が欲しいのは……
その木造の中身！｣
指を指されたおじさんの額には汗が滲み出る
｢こりゃ木造蔵だろ？
300年くらい前に金持ちの間で流行った税金逃れの隠し金庫だ。本物だったら中に隠し財宝がぎっしり詰まってるはずだ。
年代を調べるフリして、中身だけすり替える気だったろ！｣
｢ぼ、僕はそんな…！｣
とおじさんは挙動不審になる
｢待て｣
また新しい人が…
｢そいつが本物の木造蔵っていう証拠はあるのか？｣
｢なんだと？｣
｢この木自体は確かに300年以上経ってる。だが、それはあくまで素材の話。彫ったのは最近かもしれねぇだろ？｣
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作者名：まりも | 作成日時：2021年2月19日 2時
