あなたのことが好きでたまらないんです (ページ27)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:16,530 hit

チハヤ×風邪ページ27

・彼氏彼女設定
・彼女目線

はぁー、辛い。

今日は珍しく風邪を引いてしまったのだ。

風邪のとき一人って寂しいよね。

貴「会いたいなぁ」

そんな呟きが部屋の中に消えていった。

チ「会いたいって言われたから会いに来た」

…え？

目の前には会いたくて仕方がない人がいた。

貴「チハヤ……」

チ「ほら、こないだA合鍵くれたじゃん」

そういえばそうだった。

早すぎたかもとあのあと少し後悔していたんだっけ。

チ「ほら、冷えピタ貼るよ」

少しだけ自分の顔が強ばるのを感じた。

私は冷えピタが大の苦手なのだ。

困ったように彼は眉毛を下げた。

チ「そんな顔されたら貼りたくなくなる…」

頭を優しく撫でられる。

チ「よしよし……」

貴「何さ」

チ「だって泣いてるもん、もう貼らないから、おかゆ作ってくるから」

こういう優しいとこほんとに好き。

チ「キッチン借りるね、あと冷蔵庫漁るね」

貴「うん」

しばらくして良い匂いがしてきた。

チ「できたよ」

彼はそっと布団の横に座った。

チ「あーんしてあげる」

貴「え！？」

チ「だめ？」

あぁだめだ。この上目遣いに私は弱い。

貴「だめ、じゃないです」

カップルっぽいことができているというわけじゃなく、彼に甘やかされているということが純粋に嬉しかった。

チ「ほら、食べ終わったから寝るよ、俺ここにいるから」

そう言って彼はやんわりと手を包んでくれた。

風邪でも悪くないかも、そう思った一日だった。