イヤホンは知っている 【探偵チームｋｚ事件ノート】

もしもの話 ページ25

生け花の三草流派の家元が亡くなって。


亮君が家元になった。

彼には、才能が無いらしい。

だが、引き継げる人が自分しかいないから家元になった。



そう、こないだ聞いた。

電話だったから、どんな顔をしていたのか分からないけど。

声色から、すごく暗い顔をしてるんだろうなぁと思った。




あの時、kzが誘拐された姉を発見できていたら。

花夜さんを見つけれたら。


何かが変わっていたのかな？


そして。


遥さんともう一度、会えたら。

遥さんは何か、重大な事を知っているから。









また図書館に行って、あの人の名前を確認しよう。


私は、無意識に電話をかけていた。

翼ではなく、忍に。

開成で忙しいのに、負担をかけたくないから。



彩「もしもし、立花です。夜遅くにごめんね。」

忍「ん、大丈夫。ネトゲしてたから全然、起きてたからさ。」

彩「あのね、忍。突然なんだけどもしも、もしも………」


私は一拍置いてから話し始めた。


彩「今、遥さんと会ったらどうする？」

忍「何でそんな事、聞くんだ？」

彩「お願い、理由は聞かないで。」


私の緊迫した声に忍は黙った。

電話を切られたのかな。

と思ったんだけど。

うーん、といううなり声が聞こえて来たから切られてないや、ってホッとした。


具合でも悪いのかな。


忍「俺だったら、話しかけるかな。それか、尾行する！」


サラッと犯罪予告する忍。

う〜ん。


少しは参考になった・・・かな。

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