検索窓
今日:27 hit、昨日:18 hit、合計:85,854 hit

ページ10

*




「……みや、た…」




手はそのままにしゃがんだ事でほぼ同じ高さになる目線




「辛かったよね。しんどかったよね。 …ごめんね、俺達なにも出来なくて。キタミツありがとう」

「……なん、で、謝る……、べつに、お礼言われるようなこと……っ、」

「ごめんねは、キタミツにもガヤさんにも寄り添って支えられてなかったから。 ありがとうは、ガヤさんを心配して無理矢理にでも休ませ様と促してくれたから。俺達じゃ何て言えば聞いて貰えるか分からなかったんだ」




「嫌な役目を背負わせちゃったのもごめんね」と続けた宮田にそれは違うと否定したくて、何とか首を横に振った




「あんな風に言ってたけど、キタミツの気持ちは伝わってるよ。ガヤさんは分かってる筈」

「…んなわけ、…だって彼奴は……」




そこまで言いかけて、思わず出そうになった言葉の続きを飲み込む

…それは、俺と藤ヶ谷の問題だから

与えてくれる優しさに付け込んで此処で愚痴を零すのは違うだろうから




「キタミツ?」

「……ごめ、なんでもない…」




「そう?」と、柔らかく笑う

無理に聞き出そうとはしない

でも、自然と話しやすい空気を作り出すのが相変わらず宮田は飛び抜けて上手い

飲み込んだ筈の思いが出てきてしまいそうでぐっと唇を噛んだ




「ミーツ、宮田」

「あ、ちゃんたま」

「……!」




呼ばれる声

それに応える宮田の声と、そのすぐ隣に同じ様にしゃがむ気配

ふんわりとしてる玉森の纏う雰囲気はこういう時でも変わらないまま




「ガヤは隣の空き室でちゃんと休んでるよ」

「そっか、良かったぁ」




誰が聞いた訳でもないが、話すのが当然とばかりに伝えてきた玉森に宮田も自然と安堵の言葉を返していた




_

☾→←☾



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (212 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
480人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。