Forever girl (ページ5)

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「…You have a really cute face.」

「…？！？！」

「ちょっと！マリアさん…！」

「ふふ。つい、ごめんなさい」

噛みつく勢いで咎める太輔の声にもなんのその、

悪びれる様子もなく笑顔を浮かべて「good-bye, boys」と言葉を残し彼女は颯爽と去っていった

ガチャ、と重めの音と共に閉まる玄関の扉を無言で見つめる

「…ったく、ほんと、可愛いものには貪欲なんだよな…相変わらず」

隣で零された小言にゆっくりと顔を向ける

僅かに見上げた先の切れ長の瞳と絡む視線

「…太輔、」

結局未だなんも整理も理解も出来てはいないけど俺は、とりあえず話をちゃんと聞かないといけない状況なのだという事だけは飲み込めていた

「ひろ、向こうで話、してもいいかな？」

こくりと頷き、促されるまま後を着いて足を進めリビングに入っていった

太輔が一目惚れして購入したという大き目のL字型のソファ

膝を付き合わせるように座り、俺の両手は膝の上で太輔にぎゅ、と握られていた

「…まずは誤解させてごめん。彼女は…マリアさんは本人も言ってた通り俺とは何も無い、仲良くしてくれてる友達の一人」

「うん…」

「ひろも経験あると思うんだけど共通の友達が居てさ、その人きっかけで知り合ったの」

ちなみにその人も男だよ。と、聞かずとも俺が気にしそうな事を先に教えてくれるのは此奴の優しさだ

「それでね、…これはもう本人にも話していいってちゃんと許可貰ってるんだけど。彼女にも居るんだ、同性の恋人さんが」

「…っ、！」

「だから俺達と同じ。初恋からずっと好きになるのは女性だけだった、って」

…そういえばさっき帰り際にもマリアさんは、"愛しい私の彼女を迎えに"と言っていた

「そう、なんだ…」

「だから本当にひろは心配しなくて大丈夫」

そっと、太輔の細長い指が俺の左頬を撫でる

「……、」

ドアを開けて玄関に並べられた女性物のパンプスを見つけてしまい、奈落の底に突き落とされたかのような気分になってから時間にして10分程

もう本当に全てが終わりだと一度は覚悟もしたけど、それは俺の早とちりでただの杞憂だったみたいだ

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