Forever girl (ページ31)

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「帰ったら早速相談しなきゃだね」

「俺の方が丁度もうすぐ更新だからさ、そのまま太輔の所に住むんでもいいかなと思ったんだけど」

「でもやっぱ引っ越すかどうかも含めてちゃんと話そう？俺の家もいいけど、お互いの部屋持つってなると狭いし。宏光の希望もちゃんと聞きたいから」

少しでも離れたくなくて自身の我儘を突き通しても太輔は"俺もそれが良い"と笑ってくれる

その優しさに甘えきってる自覚が無い訳ではないが…、"今"を大切に大事に生きて行く為には

愛しい相手との時間を余すこと無く過ごしていく為には

多少は目を瞑ってくれないかと、許しを乞うべき存在など居ない筈なのに誰に向ける訳でもなく心の中で強く願ってみたりした

数ヶ月後か、数年後か、はたまた十年以上先の話か

いつ訪れるかも分からない未来を怖がって逃げるだけではなく、そんな日が来るのは一秒でも一日でも先がいい

せめてそう思いながら明日も明後日も変わらずに愛情を向けていたいのは、自分の気持ちも今までとこれからの時間も全て"否定"などしたくないから

太輔から向けられる想いも言葉も否定などしたくないから

ただ、それだけだ

「あ！でも、自室は必要だろうけど寝室は一つね！」

「寝室こそ別がいいんじゃねぇの？お互いの生活リズムが真逆になる事もあるだろうし、」

「それでも俺は一緒がいい。寝顔見れるのは一瞬だけでも、温もり感じれるのが夢の中だけでだとしても、同じベッドで眠りたい」

前向きな明るい未来しか見据えていないだろう太輔は、きっと俺の面倒くさい思いなど気付きもしないだろう

…でも今はそれでいい

余計な感情は要らない

目の前の"幸せ"を噛み締めながら少しでも長く傍に居られたら

他に望むものだって俺には何にも無いのだから

「…ん、まぁ、お前がそうしたいならいいよ」

「やった！ …ふふ、宏光が俺のお願いすんなり聞いてくれるなんて嬉しい」

隣に居なければこんな風に話し合うことですら出来ないんだよなと考えると、どれだけ幸せな状況なのか改めて思い知らされる

「おい、まるで普段の俺が意地悪みたいに言うな」

「えー、だっていつも駄目とか無理とかばかりじゃん」

「お前が我儘だからだ。 …前言撤回してもいいんだぞ」

「あ！また意地悪！」

…手放す必要が生じる時はどうか、まだ遥か先であって欲しい

もっとこの幸福を実感していたい

それが今の俺の一番の夢で願いだ

fin.

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